関西大学の2022年度入学式が1日、千里山キャンパス中央体育館で行われ、6958人が関大生としての一歩を踏み出した。前夜までの雨がやみ、新たな門出を祝福するかのように同キャンパスに咲き誇る約1900本の桜は満開。対面での式典も復活した。今年は大学昇格100周年の記念イヤー。何か〝持ってる〟メモリアルの新入生になった。
【写真】3年前の入学式と比較…新入生の髪の色は明るい?暗い?
昨年まではコロナ禍で学部ごとの式典が行われていたが、同体育館に13学部の新入生が集まるのは2019年以来3年ぶり。記念写真を撮ろうと時計台下にある「関西大学入学式」の看板には長蛇の列ができ、いつもの入学式風景が戻ってきた。サークルガイドを配っていた桐嶋朱野さん(法3)は、2020年の入学時はオンライン授業だったといい「初めて大学に、こんなに人が入っているのを見た。大学生って感じ」と、ごった返すキャンパスをうらやましそうに見つめていた。

新入生の杉山舞さん(経済1)は「就職に強くて、先輩達がやりたいことをやっていてすごく楽しそうだったので関西大学を選んだ。公認会計士の職業に就きたい。高校時代はバイトができなかったし、コロナで楽しめなかった。大学では遊びたい」と夢と希望をふくらませた。
藤崎琉依さん(商1)と西村颯人さん(法1)は、体育会サッカー部に入部。練習を通して知り合ったといい「文武両道で4年間頑張って、プロサッカー選手になりたい」と声をそろえる。青山周平さん(政策創造1)と前田大登さん(商1)は「友達も彼女もつくりたい。彼女つくるぞ!」と怪気炎を上げていた。

前田裕学長(ゆたか、66)は式辞で、ロシア軍のウクライナ侵攻に触れ「軍事力による現状の変更は、世界の平和と秩序に対する挑発です。ましてや、核兵器の使用を匂わすことは、世界の平和を希求する人々や被爆を体験した日本の国民の心情を踏みにじるもの以外のなにものでもありません。戦争はすべてを破壊します。建物や家が壊されるだけではなく、経済や文化、歴史も破壊していきます。人の命が奪われ、人の心も壊されます」とした。
その上で「私たちの未来は、この世界の未来は、そうであってはいけません。お互いがお互いを尊重し、支え合う平和な未来でなければなりません。そのような未来を支えるためには、どのような自分でありたいのかを、この4年間考え続け、必要な知識を身につけ、様々な体験をしていただきたいと思います」と新入生に訴えた。

この日から民法改正で、成人年齢が18歳に引き下げられた。芝井敬司理事長(66)は祝辞で「私たちが生きるこの社会にフルメンバーとして加わって、社会が抱えるさまざまな問題に取り組み、その解決を通じてよりよい未来社会を創り上げる。あなたも一人の市民として積極的に加わり、応分の責任を果たしてほしい。今回の18歳引き下げには、そんなメッセージが込められている、そう読み取ってほしいと私は考えます」と期待を込めた。【取材=小野桃子、村岡すみれ】
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