ドラフト会議を見守る有馬諒さん=26日、関西大学千里山キャンパス

プロ野球のドラフト会議が26日、都内で行われ、プロ志望届を出していた関西大学体育会野球部主将の有馬諒捕手(商4)は指名漏れした。

【写真】2021年のドラフトでオリックスから2位指名され、野口智哉さんは喜びのフルスイング

有馬さんは同日、千里山キャンパス内で同部の早瀬万豊監督(かずとよ、65=82年経済卒)と、ドラフトの行方を見守った。用意された会見場には報道陣約30人が集まったが、全球団の支配下指名が終了した時点で大学の広報課から「育成指名で入団する気はありません」との有馬さんの意思が伝えられ、取材に対応しなかった。

関大野球部からは2021年、野口智哉内野手(24=22年人間健康卒)がオリックスから2位指名された。社会人を含めると広島の森翔平投手(25=20年商卒)、ロッテの高野脩太投手(25=21年商卒)に続く同部出身のプロ選手誕生が期待されたが、待機部屋から出てきた有馬さんの表情は悔しそうだった。

有馬諒さんに代わって取材対応した関西大学野球部の早瀬万豊監督

有馬さんに代わり、早瀬監督が取材に応じた。まさかの指名漏れに「残念がっていた。本人はこのドラフトに勝負したいとの強い思いがあった。残念だったけど、次に向かってやっていこうと声をかけた」と、教え子の無念さをおもんぱかった。

今後の進路について、早瀬監督は「ありがたいことに社会人の方から、こういうことになれば相談させてください待ってますよ、ということになっている。社会人で頑張っていければと思っている。これからみなさんと話をしないと」と、複数の社会人野球チームから誘いがあることを明かした。

プロ再挑戦の可能性を「個人的にはまだチャンスはあると思っているけど、本人が今の時点でどう考えているか。少しでも長く、野球はやって欲しい。指導者的な立場になれる人物ですから。そういったことも視野に入れて頑張ってくれたら、応援しがいがある」としながらも、指導者になる素養があるとした。

近江高時代にバッテリーを組んだ林優樹投手(21)が、2022年のドラフトで楽天から6位指名され、プロ入りしたことも刺激になった。「林くんがプロ頑張っていることで、自分も勝負したいとさらに強い思いになったという話はしていた」と、有馬さんの思いを代弁する。

早瀬監督は「どういう整理の仕方をするか。野球を続ける状況にあるかなと思いますので。社会人でまたプロに勝負したいとなってくれたらと思いますが…プロに行くのか、社会人で少しでも長くお世話になって、その後指導的な立場でやるのがいいかっていうのは、何年か先になってみないとわからない。本人がその時、決断すること」と、そっと背中を押した。

運命の時を迎えた関大生に、プロの神様は無情だった。歓喜の瞬間を共有しようと集まっていた野球部員は〝お疲れ様〟の気持ちを込め、大きく、そして優しい拍手で包んだ。「ありがとう、ありがとう。ありがとうな」。有馬さんは喪失感に打ちひしがれそうになりながらも、仲間の思いやりに感謝していた。

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