指パッチンギネス世界記録保持者は、関大生だった。経済学部2回生の藤村聡之さん(20)が昨年12月23日、朝日放送の「探偵!ナイトスクープ」の収録でギネス公式認定員の下、1分間に片手だけで296回指を鳴らすことに成功。「1分間で指を鳴らした最多数」として、ギネス世界記録として認定された。今年に入ってマツコ・デラックスやバナナマンとも共演。バラエティ番組や海外メディアからの取材も殺到している。世界の注目を浴びたきっかけは、サークルの先輩の何気ないひと言だった。

指をパチッと鳴らすと、まるで場面転換のように大学生活がパッと明るくなった。10月14日のNHK総合テレビ「バナナ♪ゼロミュージック」では、クイズ出題者として同番組に2度目の出演。指パッチンでサザンオールスターズの「勝手にシンドバッド」を演奏し、バナナマンの日村勇紀さん(45)やOKAMOTO’Sと爆笑コラボした。

先輩からかけられた言葉が、掌の技を世界一まで昇華させた。1回生の新歓シーズン。たまたま入った軽音サークル・千里山シェルターで特技の指パッチンを披露すると「ギネスいけるんちゃうん?ナイトスクープに応募しいや!」と言われた。実は…その時までギネスの存在すら知らなかったという。

昨年大みそかに放送されたナイトスクープで、世間に名が知れ渡った。Youtubeで公開されている記録挑戦動画の再生回数は、約110万回。海外からも「なんてクレイジーなんだ!」「俺がトイレを我慢している時の顔だ」と、称賛?コメントが殺到した。

親指と中指を、意識して擦り始めたのは中学2年生の頃だ。サカナクションが大好きで楽器を演奏したい!と思うも、不器用な自分にできるものはない…と悟った。「指パッチンをドラムみたいに演奏できたら面白いし、快感だと思った」。授業中も音を立てずに指を擦り合い、家族からは騒音扱いされながらも、指がちぎれそうになるまで毎日練習を積んだ。

指パッチンがきっかけで恋が芽生えたことはないそうだが、自身のツイッターで公開した星野源さんの「恋」に合わせた動画は1万リツイート超え。今年すでに6回、東京で取材を受けた。バナナマンの日村さんには「めちゃくちゃ面白い。いいの見つけてきたね」と声をかけられた。

一見くだらない、世の中の役に立たない事かもしれないが、結果を出せばスポットライトを浴びる。指2本だけで食べていくつもりはないそうだが、自分が面白いと思うものと真摯に向き合う姿は、就活生をも勇気づける。【写真・ポーズもサマに!?指パッチン世界ギネス記録保持者の藤村聡之さん】

10月22日に関西大学梅田キャンパスで行われる梅関祭では、関大生シンガー・ソングライターの花房真優さん(21=経済4)と競演。「いつかパッと花が開くことがあるので、やりたいことがあるならやり続けてください!ホントに人生何が起こるかわからないですよ…」と、サカナクションの「新宝島」を指で奏で始めた。大好きなサカナクションとの夢コラボが実現するまで、藤村さんの指は鳴り続ける。【山本朝子】

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