プロ野球阪神の元外野手で、野球評論家の赤星憲広さん(40)が5日、関西大学堺キャンパスで人間健康学部の客員教授として初講義を行った。4月1日の就任後、大学教員としての初打席に立った赤星さんは「学生生活でたくさん失敗してほしい。数多く失敗している人の方が、成功につながる」と349人の新入生に向け熱弁。授業時間を全力疾走した。

昨年5月20日にも千里山キャンパスで講演を行い、ボランティア活動への参加を呼びかけた。現役時代から、500台以上の車いすを寄贈。「スポーツと健康、福祉を学ぶ人間健康学部の学生に、赤星さんの経験は響くものがある」(関西大学広報課)と、同学部が客員教授を委嘱した。

高校時代、甲子園で敗戦につながるタイムリーエラーを2年連続した失敗談を披露。「エラーをしたのは、準備が足りなかったから。準備の大切さに気づいてほしい」。〝しくじり教授〟となった赤星さんは、関大での4年間を目標への準備期間にして欲しいと呼びかけた。【写真・人間健康学部の新入生と赤星憲広さん(写真中央)=関西大学堺キャンパス(撮影・藤野裕友)】

母親の入院がきっかけで、車いすの少なさに気づいたことが社会貢献活動の原体験となった。2003年から車いすの寄贈活動を始め、09年の引退後も基金を設立。昨年は22台を贈るなど、地道な活動を続けている。「高齢化社会を迎えて若い人が減っていく中、福祉やボランティアにも興味を持ってもらいたい。自分たちにできることは何だろうと考えてほしい」と語気を強める。

「とにかく緊張しました。野球をやめてから1、2を争う緊張でした」と、額に汗がにじむ。番組で共演するくりぃむしちゅー・上田晋也さんの「お笑い芸人も入りのスタートが大切」という言葉を講義で紹介した。プロ野球の監督やコーチになる目標があるという赤星さん。人間健康学部の新入生とともに、新しいスタートを切った。【藤野裕友】

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