プロ野球・阪神の元選手で、野球評論家の赤星憲広さん(40)が20日、関西大学千里山キャンパスで行われた「赤星流ボランティアのススメ」に出演した。選手時代から続ける車いすの寄贈活動などについて、人間健康学部の山縣文治教授(61)と対談。会場を埋めた関大生に、ボランティア活動への参加を呼びかけた。

対談相手を務めた山縣教授が、関大生で埋まった会場に問いかける。「きょうはボランティアがテーマですが、ナマ赤星を見に来た人?」。7割くらいの人が手を挙げ、笑いが起きる。その90分後、今度はこう、切り出した。

「赤星さんの話を聴いて、ボランティアに協力しようと思った人?」

多くの関大生が、掲げた手のひらに決意を込める。その数400人弱。「ひとりでも手を挙げてくれたら、満足だった」と、赤星さんは笑顔を見せた。【写真・関西大学千里山キャンパスに来学した赤星憲広さん=5月20日、BIG100ホール(写真・岡田拓也)】

現役時代から合わせ、500台を超える車いすを病院や施設に寄贈してきた赤星さん。幼い頃の原体験がきっかけだった。

点滴を打ちながら、病院内をよろよろと歩く母親。なぜ車いすに乗らないのか?と聞く赤星少年に「車いすはあまりあるものではない」と諭す。教えられた不自由な現実が、進む道を決めた。

赤星さんの活動に、心ない言葉がかけられることもあるという。「そういう人たちが何も言わなくなったら、勝ったと思う。100人中99人が批判しても、1人でも必要とされるべきならやるべき」と語気を強めた。甲子園のヤジに鍛えられた男の、信念は揺るぎない。

迷ったら一歩踏み出して欲しい。踏み出す勇気を—盗塁のセオリーを、さかんに訴えた赤星さん。「ひとりひとりが困った人を助けたら、輪が広がる。思い続ければ、たくさんの人が協力してくれる。いつか形にして欲しい」。5度の盗塁王に輝いたスピードスターの言葉が、関大生の背中を押した。

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