開口神社でおみくじ線香を販売する関西大学社会学部・上野恭裕ゼミの(左から)倉田流輝さん、中井佳子さん

関西大学社会学部・上野恭裕ゼミの学生が、大阪府堺市の老舗線香メーカー奥野晴明堂と共同で「おみくじ線香」(1回300円)を開発した。正月三が日に、上野ゼミ生が同市の開口(あぐち)神社でテスト販売し、約180本が売れるヒットとなった。

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同神社で販売されるおみくじの3倍の価格にもかかわらず、30~50代の女性や家族連れなどが異例のおみくじで新春の〝運試し〟をした。2022年2月に、堺市の伝統産業活性化を目的としたビジネスアイデア・コンテストが開催。線香は同市の伝統産業のひとつで、審査員特別賞を受賞したプランを同社が製品化した。

おみくじ線香

上野ゼミの学生は、ユニークおみくじが注目を集める神社に着眼。細長い線香が「おみくじに使えないか」と発想した。関大生への調査で、9割以上が「好き」と答えたおみくじと、若い人にあまりなじみがない「線香を焚く」ことを融合させた。

木製の筒の中に番号付きの線香が入っており、神社で紙のおみくじ箋を受け取った後はそのまま焚くことができる。「凶」が出ても神社で悪い気を浄化し、清めることができる縁起の良い線香。紫、朱、黄の3色で、香りにもこだわった。

奥野晴明堂の奥野浩史代表取締役は「この事業は新しい市場の開拓ができると思った。まずは販売してみるところから始め、徐々に火が付いてくるもの。SNSを活用した広報を展開すれば、ひとつのブームを作り出せる可能性がある。いったん皆さんに伝われば息の長い商品に育つ」と、インスタグラムなどでの写真映えコンテンツとして拡散を狙う。

神社でおみくじ線香を販売した中井佳子さん(21=社会4)は「若者に線香を知って欲しいという思いで、おみくじは一年に一回引くものかなと思ったので、若者をターゲットにして作りました。おすすめしたら、面白さでやってくださる人が多かった」と振り返る。倉田流輝(るき)さん(22=社会4)も「線香としてもいいものを使っている。年の初めに、去年の悪いものを浄化してもいいし、ご自宅で焚いていただいてもいい」と、手応えを感じていた。

ゼミ生のおみくじ線香販売を見守っていた上野恭裕教授(58)は、経営管理や経営戦略を教える。「大変素晴らしいアイデア。私には考えつかないような柔軟さで、若者が線香になじみを持つことで、堺市の伝統産業が活性化すれば」と期待を込める。「別のアイデアで『黒歴史を燃やしてやるさかい』という新しい製品も検討中」として、上野ゼミによる「黒歴史線香」の商品化計画も明かした。

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