関西大学は13日、4月1日に開催を予定していた2020年度の入学式を中止すると発表した。同月2日に予定していた大学院入学式も取りやめる。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、関大は2019年度の卒業式と大学院の学位授与式も中止。1948年(昭和23)の新制大学転換後、卒業式と入学式が行われないのは初めて。
1960~70年代に吹き荒れた学園紛争の中でも開催してきた入学式が、コロナ禍で中止になった。関西大学は「新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されることに鑑み、4月1日及び2日に予定していました2020年度春学期の学部入学式並びに大学院入学式を中止することといたしました」と、公式ウェブサイトなどを通じて告知した。
昨年の入学式では、6736人の新関大生を含む約1万3000人が出席した。大学はギリギリまで開催を検討したが「式典に参加される入学生や保護者の皆様の健康と安全を最優先に考え、大学としての社会的責任を果たすため、今般の決定に至りましたことをご理解賜りますようお願い申し上げます」と中止に至った経緯を説明した。入学式の代替行事も行わない。
2020年度の学年暦はすでに組み上がっている。4月1日の入学式後に、4日まで新入生向けのオリエンテーションやクラブ・サークルの新歓行事が行われ、6日から春学期の授業が始まる予定だ。関西大学広報課は「オリエンテーションや春学期開始日については現在協議している。他の大学の動向も見ている」と、異例となる日程変更の可能性を否定しなかった。
19日の政府専門家会議の発表や、13日に国会で可決・成立した新型コロナ感染拡大に備える特別措置法を踏まえ、23日ごろまでに新入生・在学生に告知するという。
他大学では、すでに授業開始日を4月20日ごろまで延期する動きが出ている。地方から移動する新入生の事情などを考えると、授業日開始2週間前までの告知がデッドライン。春学期は予定通り始まるのか、それとも延期か…。関西大学の判断が注目される。
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