高橋大輔さんがジャージを脱いだ瞬間、会場が大声援に包まれた(撮影・梅本歩佳)

「フィギュアスケート・近畿選手権、男子SP」(7日・兵庫県尼崎スポーツの森)

4年ぶりの復帰舞台に臨んだ関西大学KFSCの高橋大輔さん(32=08年文卒)は、77.28点で首位発進した。ショートプログラム(SP)終了後に会見に臨んだ高橋さんの一問一答を掲載する。【村岡すみれ】

◇      ◇

-滑り終えてどうですか

「いやあ、めちゃくちゃ緊張しましたね。もうそれしかなくて、もうスタートから足ガクガクで、つまづきそうになったり、いまもまだドキドキしているんですけど、それときのう(6日)織田くんがすごい点数出したので、やめてくれよと思いながら(笑)僕もまだ調整であったりとか、なかなかうまくいかなかったりとか。100%直し切れてなかったので、そういったところの不安もありましたし。この6分間練習ってのも久々で。あとこんな明るい中で、こういう見られ方をするのも久々で。想像以上に自分が緊張していてびっくりしました」

-(滑り終えて)最初の気持ちってどうでしたか

「いやあ、どうですかね…。とりあえず終わったという感じで。まあジャンプもすべてつまりましたし、スピンもガクガクでしたし、ステップも思うように動かなかったしっていうこともあって、まあとりあえずその中でも大きいミスがなく、終われてよかったかなという安心感ってのはありましたね」

【写真】4年ぶりの復帰戦に臨んだ高橋大輔さん

-試合前に、どんなスコアがつくか楽しみと話していました

「いやあ…たぶん自分が思っていたよりは高いかなあと。全然、本当に自分の滑りっていうのができなかったですし、思う想像通りにはできなかったので、きょう点数どうのこうのっていうよりは、この緊張感の中で大きなミスなく終われてよかったなってことの方が大きいかなと」

フィギュア近畿選手権男子SPで、首位発進した高橋大輔さん(撮影・梅本歩佳)

-きょうは楽しかったですか

「いや、きょうは楽しめてないですね。必死で…。必死しかなかったので、お客さんと一体感になるなんて考えられなかったし、もう本当にひとりの世界で。とりあえずひとつひとつこなしていくということだけ考えてやってたので、楽しめたかどうかはわからなかったです。けどこの緊張感っていうのは…解放感ですかね。緊張からの」

-会場は異様な雰囲気でした

「昔のぼくのスケートを想像して来られていると思うので、その期待に応えられたかどうかっていうと、応えられていないと思うんですけど…お客さんに応援していただいてそのぶん、より一層緊張したんですけど…でもこれだけ引退して4年経ってもこれだけ応援してくださる人がいるってことを改めて知ることができてよかったですし、そのお客さんの応援…プレッシャーには勝てなかったですけど、これからあと、西日本、通過して全日本と続いていけばもっと、緊張感やプレッシャーって高くなってくると思うので、それを越えて自分の力に変えられるくらい強くなっていきたいとまた改めて感じました」

-スコアが出る前に帰ろうとした

「そうなんですよ(笑)。スコアを待つのを忘れて…出るのを忘れていて、先に帰ってしまおうとしたら、みんながすごい待っているからアレって思ったら点数出るんだと思って…思い出して戻ってきました。それよりも終わった安心感で…早く帰って着替えたかったなという気持ちが先走って、帰ってしまいました」

-あす(8日)フリーがありますが

「いやあもう…フリー…ショートでこれだけ疲労困憊しているので、フリーどうなることやらってところで、そっちの不安…持つかなっていう不安の方が大きくて、より一層緊張感高まると思うんですけど、まあきょうよりかはたぶん、全くどんな緊張感かわからなかったので、その緊張感に対する準備はできると思いますし、ただ思いっきりやることだけを考えて、精一杯できることを出し切れるようにやっていきたいと思います」

-練習の何割くらい出た感じ?

「何割くらいですかね…スピンなんかはいつもできているので、全然でしたね。5割くらいじゃないですかね。滑りはもうちょっと良かったと思います。ジャンプは日によってですけど、スピン・ステップ・滑りって部分では、もうちょっと練習の方がのびのびとできてますし、もっと滑っていると思うので」

-フリーはもっと(観客を)楽しませてくれる?

「あまりプレッシャー与えないでください(笑)。楽しませられないと思います。あした(フリー)も。もしかしたら西日本は楽しませられるかもしれないですけど。あしたは精一杯やっていきたいと思います」

-後輩からプレッシャーを感じるものはありましたか

「プレッシャーというか、いっこ前に滑った中村優くんとか一緒に練習しているんですけど、毎日どんな調子かもわかっていて、試合に向かって調子を上げてきた中で〝やべえな〟という刺激を毎日もらったり、きょうの朝の公式練習では体が動かなくて、ほかの選手とかは動いていたりして、そういったところで〝やばいな〟」っていう気持ちはより一層高まったりとか…。そういったところでいろいろプレッシャーだったり緊張感だったり、いろいろ感じました」

-トーループは一発勝負って感じだったんですか

「そうですね。調子悪くて、本番行けたらっていう感じで行ったので、とりあえず一本目きれいに行けたらイケるかなと思ってたんで、1個目だけを気をつけてやろうかなって感じでやりました」

-足の方はどうですか?

「左の肉離れの方は問題ないですけど。日々いろいろ出てきてますんで」

-足がガクガクになったという感覚はいつ以来?

「アイスショーではあるんですけどそんなに…。フワフワガクガクというのはそれこそ4年ぶりくらいじゃないですかね」

-勝負の世界に戻ってきたという感慨みたいなものはありますか

「そうですね…もうちょっと自分としては、この近畿ブロックの時はもうちょっとできて、上がっているかと思ったんですけど、やっぱフタを開けてみればなかなか自分が思っていた通りに行ってなかったりとか。現役とこの年齢と自分自身の体と、その中で戦っていくのは非常に厳しいな…って現役を復帰するって言ってから今に至るまで、日々一層強く感じてはいるんですけれど。その中で、問題とかをクリアしながらやっていくってことは、すごくいい経験ができてるなと思いますし、この勝負の世界をもう一度…今までは常に継続して戦ってきてはいたんですけど、戦う場から離れてまた戻ってきて、その気持ちの前構え…気持ちのところでも今までとは違いますし、そういった中で戦っていけてるってことはすごく幸せだなって考えて過ごせてます」

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