【高橋大輔さん一問一答】「このまんまじゃ本当にヤバい」

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表彰台に上がる中村優さん、友野一希さん、高橋大輔さん(左から)

「フィギュアスケート・近畿選手権、男子フリー」(8日・兵庫県尼崎スポーツの森)

ショートプログラム(SP)首位でフリーに臨んだ関西大学KFSCの高橋大輔さん(32)は118.54点、合計195.82点で3位。4年ぶりの復帰舞台で、表彰台に上がった。インタビューでは開口一番「いやあ、最低ですね」と苦笑いしながらも、4回転の〝解禁〟を示唆して西日本選手権での巻き返しを誓った。試合後に行われた会見での一問一答を掲載する。【村岡すみれ】

   

-振り返ってみてどうでしたか

「いやあ、最低ですね。今まで、練習でもここまでボロボロはほとんどしたことなかったので、今シーズンというか、現役復帰してからこんなにボロクソな演技は初めて。練習含め、初めてだったなあと思うので、これが試合っていう緊張感だと思いますし、ショート、フリーと2日続けてやる難しさだと思いますし、まあ本当に、この2日間を通して課題もたくさん見えてきて。本当に、悔しいっていうところよりもこれが今の自分の実力なんだっていうところをすごく実感しましたし、ここから上げていくだけだということを同時に思いました」

【写真】これからの目標を聞かれた高橋大輔さんがまさかの回答

-プレッシャーはあった?

「ショートの前からも緊張してたんですけど、ショートは時間が短いぶん、ある程度気合で持って行けた部分はあったと思うんですけど、やっぱフリーは気持ちだけでは持って行けない部分…。練習、それこそフリーなんかは特に練習が大事だなあっていうのを改めて感じましたし、気持ちだけでは持って行けないというというところは強く思ったんですけれど。ショートよりかは体の動きとかは良かったので、まずは体の動きと気持ちとうまく合わせるようにしなきゃな、と思いました」

-西日本、全日本への意気込みを教えてください

「そうですね(笑)。いやマジ…このまんまじゃ本当にヤバいので。もうとりあえずやるしかないかというところで。まあ全日本が目標なので、全日本までにできるように。最終グループこのままじゃ絶対残れないんで、西日本通過できるかどうかわかんないくらいの演技だったと思います…きょうのフリーは。全日本の最終グループ入れるように、せめて後半だけは何があってもミスをしないように、やっていかなきゃなと思いました」

-後半きつそうな場面も見えた

「呼吸的にはあんまりきつくなかったんですけど、足のほうが動かなくなってきて、自分でもよくわからない状態になったというところもあったので、練習不足の部分もあったかもしれないですし。いろんな要素があったと思うので、それでも4年前までは力を出し切れたと思うんですけど、出し切れてないってところはやっぱしそこは今の僕自身の弱さっていうところと、実力というところと。はっきりショート、フリー両方…ショートは気持ちで持って行けたというところは4年前の、気持ちの強さというものが改めて戻って来てるなと感じますし、それを維持できる体ができていないというところも、ショートフリー合わせて感じれたので。それも含めて、いい勉強になりました」

演技後半「足にきた」と振り返った高橋大輔さん

-振り付けで惹きつけていた

「いやあ、どうですかね…。今回はもうお客さんにどう見せられるかっていう余裕もなくて、僕がプログラムをやりこなせるかっていうところに気持ちが行ってたところもあるので、プログラムの中でお客さんに対話っていうのが全然できていないと思うので。今回はそこってよりも自分がどれだけのことができるかっていうところに重きを置いていたので。緊張なのかフリーはスタートしてすぐの振り付けを間違えてしまって。ちょっと動揺してしまった部分もあるんですけど」

-フリーはどういう感情を乗せて?

「感情乗せれるほど余裕なくて…。ひとつひとつのエレメンツをクリアするっていうところに集中が行ってた気がします」

-ショートより動けたということですがきのうの緊張感は生かせましたか

「気持ちの面では落ち着いて。6分間練習もそうですし、フリー始まってからも自分自身の感覚…フワフワしてる感じがショートよりなかったんですけども、足にきてしまったというところ…それをカバーできる底力がなかったというところかと思いますし。あとはまあ、プログラムの構成もそうですし、やっぱり試合でやってみてわかった部分もあって、そこはブノワ(リショー)も来てますので、フリーの変更点…変更するだとか、あとは練習の仕方、もうちょっとこうすれば良かったな、というのはこの期間中にも思っていることもあるので、そこを修正していくかなっていうところで。まあ、ほとんど修正点、課題だらけだなというところです」

-勝負の世界に帰ってきたことをどのように感じますか

「勝負の世界っていうか…ひとつの試合をこなすっていうことは精神力だったりとか体力だったりとか、いろんな要素をたくさん使うなあっていうことを改めて感じましたし、そこでうまくいったりいかなかったりっていうところも、ひとつひとつ自分にとってもいい経験になりますし、目標があってクリアしていくっていうことを持てるってことはすごく幸せだなと感じてます。すごく充実した時間を過ごせているなと思います。ただ、今回はくやしさよりも、自分の実力のなさにびっくりしていますけど、次に向けて頑張っていきたいと思っています」

-西日本まで1カ月、どういう練習をしていきますか?

「そうですね…。4回転なんかはこの試合に向けてはやってきてなかったので、この試合の後から4回転を含めやっていきたいなと思いますし、アクセルまでは戻ってきたとはいえ、試合の中で入ってこないというか、まだ成功率が低かったりだったりとか、ふだんの練習でもいろんな状態でも降りていけるように、修正していく練習していくってところもそうですし…。あとはスピンですね。練習ですごく良くなってはいるんですけど、これだけ緊張感体力ってことを合わせた時に、自分ができてるスピンができなかったりだとか、あとはステップなんかもまったく動かなかったりとか。そういった部分…まあほとんどなんですけど、そういったことをより強化していきたい」

-プログラムの力の配分までは頭が行けていない?

「そうですね。まあ、こんなに僕も練習でここまで足にくることはなかったので、試合を通して足にくる…緊張感の中で滑ってここまで足にくるんだというのがわかって僕もびっくりしている。試合感は戻ったと思うので、次に活かせるような練習をしていきたい」

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