WBC世界ライトフライ級王座V3防衛を決めた拳四朗さんは、笑顔でダブルピース=大田区総合体育館

プロボクシングのWBC世界ライトフライ級王座戦12回戦が25日、東京・大田区総合体育館で行われ、関西大学出身の王者・拳四朗さん(けん・しろう=26、2014人間健康卒)が挑戦者のガニガン・ロペス(36=メキシコ)に2回1分58秒、右ボディー一撃でKO勝ち。3度目の防衛を決めた。

漫画「北斗の拳」の主人公・ケンシロウばりに、相手の〝秘孔〟を突いた。老獪な36歳の元王者は、体をくの字にしてマットを這う。「倒す前1回、みぞおちのちょっと上を当てて、それが効いたかもしれないですね。手応えありました」。昨年5月20日、判定でロペスから王座を奪取。1年ぶりの再戦で、圧倒的な強さを見せつけた。

【写真】昨年のロペス戦の後は…顔がボコボコになった拳四朗さん

この日の試合はフジテレビ系で生中継されたが、肝心の地元・カンテレは阪神−巨人戦を放送。あまりの秒殺決着に、午後9時からの放送枠で急遽試合が放映された。〝有名になりたい〟が口ぐせの拳四朗さんは「早く終わりすぎて、関西で映る確率上がった!これで結果オーライやな」と満面の笑顔を見せた。

昨年12月、関西大学で結成された「ボクシング拳四朗関大後援会」のメンバーも上京。会場で特製の幟(のぼり)を3本立てた。後援会幹事長で、関西大学ボクシング部総監督の杉崎正明さん(54=86年商卒)は拳四朗さんを高校時代から知る。「とにかく不思議なヤツだった。あいつの強みは鈍感さやと思うね。限界がないと思うよ」と、童顔の奥に王者の凄みを感じ取る。

防衛を重ねるたびに、後援会員の数も増加。今では200人以上の関大関係者が名を連ねる。「今後は合宿費など、経済的に支援できるようになりたいと思う」と杉崎さん。トランクスに「関西大学」の文字を無償で入れ、知名度アップに務める拳四朗さん。王者のあふれる母校愛に、関大一丸となって応えたいところだ。【山本朝子】

関西大学ボクシング部を訪問した拳四朗さん(前列中央)と、同部総監督の杉崎正明さん(同右から2人目)

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