プロボクシングのWBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦が30日、横浜文化体育館で行われ、王者の拳四朗(けん・しろう、本名・寺地拳四朗、25=2014年人間健康卒)が挑戦者のヒルベルト・ペドロサ(25=パナマ)を4回1分12秒、TKOで下し2度目の防衛を決めた。【写真上・WBC世界ライトフライ級王座を防衛した拳四朗さん(左)と父の寺地永さん=横浜文化体育館】

フジテレビ系列で生中継された大舞台で、北斗の拳のケンシロウばりの“北斗百裂拳”を炸裂した。4回、右ストレートのクリーンヒットを発火点に、怒涛のラッシュで挑戦者のペドロサをボコボコにした。「あれが北斗百裂拳です。たまたま右が当たったので、やってしまおうと…。(僕は)口も切れていないし、何でも食べられます」。左右のボディー連打でダウンを奪うと、再びロープ際に追い詰めて“秘孔”を突いた。

前日計量後の29日には、東京・西麻布の高級焼肉店「けんしろう」の特製焼肉弁当(6万4800円相当)をペロリ。都内で映画「オリエント急行殺人事件」を鑑賞するなど余裕を見せたが、一度は大ピンチに見舞われていた。公開練習日(17日)の直前、39度近い高熱に。父でBMBボクシングジム会長の寺地永さん(53)は「検査に行ったらインフルエンザと言われるんでしょうけど、メンタルがやられてなかったので、熱があったけどそのままやらせました」と、精神力だけでインフルもKOした。

有名になりたい。母校の名前を広めたい。10月22日の初防衛から、わずか約2カ月でV2戦に挑むモチベーションは強固だった。リング上では「やっと生放送が来た。これで名前が売れるかな?皆さん見てますか、ケンシロウで〜す」とダブルピース。テレビカメラを通じて全国に自身をアピールした。トランクスの腰回りで目立つ「関西大学」の文字は、拳四朗さんから関大に無料での広告枠提供を申し出たもの。KOシーンで、何度も何度もテレビ画面に映し出された。【写真下・試合後さっそくフォロワー数をチェックする拳四朗さん(撮影・山本朝子)】

ツイッターとインスタグラムのフォロワー増加数を、試合後スマホですかさずチェック。「どっちも200しか増えてないのか〜。でも、最高です。どんどん勝っていきたい」と知名度アップに手応え。在阪局の人気ワイドショー番組から、さっそく出演オファーが来たという。V3防衛戦は、来年4月にもガニガン・ロペス(36=メキシコ)との再戦が有力。フォロワー数も防衛回数も、さらに増やしてみせる。【山本朝子】

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