関西大学学生チーム漢舞(かんまえ)の15周年記念公演「大漢謝祭」が27日、大阪城公園内の大阪城音楽堂で開催された。2001年(平成13)に結成されたよさこいサークルの節目を、20チーム600人が踊って祝福。神戸を拠点とする3人組ロックバンド・ワタナベフラワーも競演し花を添えた。【写真・大阪城音楽堂で15周年記念公演を行った関西大学学生チーム漢舞(撮影・岡田拓也)】

冷たい雨が突然やんだ。1回生と2回生そろっての初演舞「音頭(おど)れ」が始まろうとした時だった。「ここぞという時だけ、雨を止ませることができましたね」と、15代代表の熊谷基さん(20=外3)が笑う。開始から雨に見舞われた漢謝祭。溜まった熱気が、野外会場を覆った雨雲を吹き飛ばした。

音頭れの3文字に、関西のよさこいチームの音頭を取る決意を込めた。この日は関西一円の大学などから、呼びかけに応じた同志たちが結集。熊谷さんは1000人規模大会場での初公演を企画し、170人を超えるメンバーの結束を強めた。熊谷さんは「100年…いや、それ以上続く漢舞にしたい。20周年に向けて、これからもOBとして支えていきたい」。新たな歴史へ気勢を上げた。

体で叫ぶーこの1年、漢舞15代目の方針を体現してきた。英国留学から帰国後、すぐに代表になった熊谷さん。留学から帰ってきたヤツがなぜ、との声もあった。自分しかできない漢舞がある。サークルとは違う場所で、得たものを生かしたい。心の叫びを踊りで表現して、雑音を消し去った。

観客も含めた全員参加の踊り「元気がE」。漢舞イチ押しの総踊りには、曲を歌うワタナベフラワーがステージに登場。会場一体で演者、観客が乱舞する夢コラボが実現した。エンディングではボーカルのクマガイタツロウさん(37)がギターを持ち「一生懸命はやめられない」を熱唱。「成功する秘訣はただひとつ、成功するまでやめない事さ」。歌詞とともに、16代目代表の岡本大輝さん(20=商2)がバトンを受け取った。

関大随一の人気サークルを引き継ぐ責任や重圧もある。岡本さんは、観客を見渡しながら「本当に愛されているんだなと実感しています。自分たちだからこそ残せるものを残していきたい」と抱負を語る。より多くの人に知ってもらい、愛してもらうために。よさこいに注ぐ熱い思いに終わりはない。【山本朝子】

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