関西大学人間健康学部・安田忠典准教授(49)のゼミ生が、和歌山県田辺市の扇ケ浜海水浴場で海の家を開店した。8月15日までの1カ月間、ゼミ生41人が交代で現地に住み込み、ハワイアンスタイルの海の家「KUcafe」を運営。多い日で1日約20万円を売り上げる繁盛ぶりだった。

ファミリービーチで知られる海水浴場で、やたら店員が元気な海の家があった。イルカと泳げる海に向け、見せつけるようにはためく関西大学の幟(のぼり)。日に焼けた関大生が、威勢のいい声を出していた。

関西大学は今年1月、和歌山県、田辺市との間で地域活性化に関する連携協定を締結。同市の観光協会から、海の家の運営を委託された。「人間健康学部の学生が作る健康ロコモコ丼」「あなたのためにトロピカルカクテル作ります」…メニュー作りや調理、食材の調達や、店員のシフトまですべてゼミ生が決めた。

海の家を開くゼミも、そうないだろう。安田准教授がゼミ生に話を持ちかけると、みんな喜んだという。「一緒に生活して、ケンカして、目標に向けて一緒にやって。お互いのことを尊重できるようになれば」と、学生の奮闘ぶりに目を細める。【写真上・扇ケ浜海水浴場に開店した安田ゼミ生による海の家 写真下・看板メニューは健康ロコモコ丼=2016年8月13日】

約9万人が訪れる海水浴場。海の家には家族連れも、ナンパ目的の人も、ややこしい人も来店する。そんな中でも、トラブルなく真夏の1カ月間を完走した。店長役を任された古川泰蔵さん(22=人間健康4)は「この店に来てよかったな、関大生の接客態度はいいものだ…と思ってもらえるように心がけた。むちゃくちゃ楽しい夏を過ごせているなぁと思う」と、日焼けした肌に目をやった。

田辺市には熊野本宮大社があり、古代から多くの人が参拝に訪れていた。地元で大切に受け継がれてきたおもてなしの精神を、関大生が海の家で学び、そして実践する。安田准教授は「熊野の人はみんな楽しそうに生きている。ゼミの学生に体験してもらいたかった。値打ちありました」と、教室では決して体験できない授業の成果を感じていた。

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