関大生らでつくるアルバイト学生の労働組合・関西学生アルバイトユニオン(かんユニ)が22日、大阪府庁で会見を開き、大阪市内でファミリーマート十数店舗を経営する大阪市内の企業と「学生生活サポート労働協約」を結んだことを明らかにした。

協約では、学生アルバイトが試験勉強への専念を希望した際のシフト削減、就活に専念するための休職を認めるほか、退職者に対する損害賠償請求を禁止する。同社がフランチャイズ契約するファミリーマート店舗で勤務する学生バイト全員に適用されるという。

大阪市内の店舗で勤務していた男子大学生2人が、退職妨害や賃金未払い、求人広告費の損害賠償請求を受け、かんユニとブラックバイトユニオンに相談。2つの組合が、団体交渉を行った。【写真・大阪府庁で会見する関西学生アルバイトユニオン、ブラックバイトユニオンのメンバー】

会見に同席したブラックバイトユニオンの坂倉昇平事務局長(32)は「シフトの問題や、損害賠償請求は労働基準監督署では解決できない。国で対応できない、労働基準法を上回るルールをつくることができた」と話した。学生の手による労働協約締結は珍しい。

研修中の時給が無給と知り、電話で退職を申し出ると求人費の損害賠償を求められた男子大学生は「ホッとしている。バイトを辞められず電話が何度もかかってきて恐怖を感じたが、団体交渉の場に入ると怒りが強くなってきた。最後は違法を認めて解決してくれた」と振り返る。

かんユニが行った学生へのアンケートでは「1カ月以内に辞めたら違約金3万円との誓約書を書かされた」などの声が寄せられている。共同代表の岡達也さん(22=政策創造4)は「しんどいのに、これが当たり前と思う人もいる。もう少し声を上げていいんだよということを伝えていきたい」と語気を強めた。
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