関西大学出身のシンガー・ソングライター、アダチケンゴさん(31=07年経済卒)が今年秋、グランフロント大阪うめきた広場での1000人ストリートライブに挑む。【写真・路上演奏を行うアダチケンゴさん。集まったお客さんひとりひとりに声をかけていた(撮影・岡田拓也)】

関西大学統一学園祭で行われるKUロックフィーバーを04、06年に2度制覇したアダチさんは「口にしないと実現できない。アダチケンゴというひとりの人間が、どこまでできるのか追求していきたい」と、人気デュオ・コブクロも達成した偉業に向かう。

JR大阪駅の改札を降りると、甘く切ない歌声が聴こえてきた。オーディションを通過し、ライセンスを受けたミュージシャンだけが演奏できるうめきた広場で活動を続ける。熱心なファンやふと足を止めた人ひとりひとりと、積極的に触れ合っていた。

関西大学の音楽サークルBrooklyn304やgrooveに所属していた。今でも時折、千里山キャンパスでギターを奏でる。その音色は、関大生時代から耳目を集めていた。卒業後は大手アパレルメーカーに就職したが、赴任先で路上演奏を続けるうちに退職。道は定まった。

メジャーデビューを目前にして、挫折も味わった。音楽をあきらめようとした時期もあったが、11年12月から1人で音楽活動を再開した。「支えてくれた人を裏切ってしまうのが許せなかった」。そこから5年間の地道な活動は、徐々に大輪の花を咲かせつつある。

昨年11月には、大阪市の大会場・BIGCATでの公演がチケット完売。2月13日には神戸市のチキンジョージでのライブが控える。5月21日にはグランフロント内のSHIP HALLで、同会場初の有料ライブを行う大役が待つが、それでも今年の目標は1000人を集めてのストリートライブだ。

大阪のFMラジオ局・FM802が主催したコンテストで、うめきた広場で活動するミュージシャンのグランプリに輝いた。そびえ立つグランフロントのビル前には、まだ見えぬ未来に向かって声を張り上げる戦友たちがいる。

「インディーズで1000人を集めることはないが、時間をかけて超えていけたら。ちゃんと音楽で目標がかなうってことを実証したい。いろんなミュージシャンにも勇気になる。有名にならないと意味がない」と語気を強めた。

商学部に妹が2人通っている。悠久の庭で曲作りをすることもある。「大学を出てからも、可能な限り自分のやりたいことをやるべき」と、関大生にメッセージを送ったアダチさん。1000人ストリートライブ成功で、その言葉を証明する。

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大成功!アダチケンゴさんうめきた広場で1000人路上ライブ | ブームスポーツ編集局 へ返信する 返事をキャンセル