関西大学応援団の第100代団長で、史上3人目の女性団長を務めた鈴木れな穂さん（22）が経済学部を卒業した。20日に千里山キャンパスで行われた卒業式に出席し、これからも関大を応援し続けると宣言。「一度きりの大学生活を、思いっきり楽しんで欲しい」と、新入生や関大生にメッセージを送った。
2022年10月18日に放送されたカンテレ・フジテレビ系のドキュメントバラエティ番組「セブンルール」で「今、最も見たい女性」として特集された鈴木さん。応援団時代は、学ランや羽織はかま姿で関大生に闘魂を注入していたが、水色の振り袖に赤紫のはかま姿はまるで別人。声のトーンも違った。「化粧して学校へ行くことが少なかったので。昨年の12月23日に引退したんですけど、ゼミの予定で年明けに学校に行った時に化粧して、みんなにびっくりされました…」と笑った。
悠久の庭で行われた応援団の演舞演奏を、最前列で見守った。「現役の子たちが、一生懸命手叩いたり踊ったり、楽器吹いたりする姿を見ていると、自分ってこんなしんどいことしてたんやなって思いながら見ていた」。ついこの間まで約160人の応援団員を率いて、野太い声を出していた鈴木さん。見返りを求めず関大生を鼓舞し続ける応援団の利他の精神を、離れてみて改めて認識した。
高3の夏、関西大学のオープンキャンパスで応援団の演舞を見て魅了され、大学入学と同時に迷わずリーダー部の門を叩いた。十数年ぶりに行われた部員の選挙で、第100代団長に。2022年9月10日にグランキューブ大阪で行われた100周年記念祭には、約2000人を集めた。
「一番の思い出が決め切れないくらい本当に毎日充実して、キラキラした日々で…。強いて言うなら４年生の時に団長をやらせてもらって100周年記念祭を行ったことが一番の思い出。一番しんどかったけど、しんどかったからこそやり切ったという達成感があった」。キラキラ光る汗が、4年間の記憶をより輝かせる。
４月に阪急阪神百貨店に入社。大学から巣立つが「関大はいろんな多種多様な人がいて、人もめちゃくちゃ多くて、他の大学に比べて所属できる団体とかも多いと思うので、いろんな経験が、だからできると思う」と、関大の門をくぐる新入生へのエールも忘れない。
コロナ禍で応援活動も制限された関大生生活だったが「コロナ禍があったからこそ、いろんな困難があったからこそ、当たり前に過ごすということにより感謝の気持ちが私自身芽生えたし、他の人も芽生えたと思う。卒業するっていうのは寂しいことでもあるんですけど、みんなの笑顔とかやっぱり見ているとすごく晴れやかな気持ちになりました」と振り返る。応援団長時代には、厳しい表情を崩さなかった鈴木さん。大学生活最後の最後では、とびっきりの笑顔を見せていた。
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