関西大学の2022年度卒業式が20日、千里山キャンパスなど学部ごとの各キャンパスで午前・午後の部に分かれて行われ、6265人の卒業生が新たな門出を迎えた。
卒業式は、2019年3月20日に行われた2018年度卒業式以来となるほぼ制限なしのものに。マスクの着用は卒業生の判断にゆだねられ、父母の参加人数制限も撤廃されたが、千里山キャンパス中央体育館での式典では7割ほどの卒業生がマスクを着けていた。

関西大学の前田裕学長(ゆたか、66)は送辞で、学生生活を終えた卒業生に「皆さんの関西大学での生活は、コロナ禍との戦いでもありました。2019年の末から始まったコロナ禍は、社会のすべてを飲み込み、関西大学での皆さんの活動にも深刻な影を落としました」と語りかけた。
続けて「そのような中でも、皆さんは勉学を続け、関西大学卒業という大きな成果を上げられました。皆さんの努力をたたえます。そして、皆さんの協力に感謝します。皆さんとともにコロナ禍を乗り越えてこられたことは、関西大学の誇りです」と、はなむけの言葉を送った。
2020年からあった卒業式当日での在学生キャンパス入構制限もなくなり、クラブ・サークルのお見送りも解禁された。紙吹雪や胴上げといった風習こそなくなったが、悠久の庭などでゼミやサークル単位で集合写真を撮る風景が多く見られた。
関西大学応援団の第100代団長で、史上3人目の女子団長として活躍した鈴木れな穂さん(22)は、経済学部を卒業。応援団時代の学ランや羽織はかまではなく、水色の振り袖に、赤紫のはかま姿で色香をふりまいていた。

カンテレ・フジテレビ系のドキュメントバラエティ「セブンルール」で特集され〝今、最も見たい女性〟になった鈴木さんは「天気もよくてマスクを外している人が多いのを見ていると、少しはコロナ前に戻った気持ちになる。卒業するっていうのは寂しいことでもあるんですけど、みんなの笑顔とかやっぱり見ているとすごく晴れやかな気持ちになった」と春空に目をやった。
4月からは阪急阪神百貨店へ就職。コロナにほんろうされながらも、関大生を鼓舞し続けた4年間を振り返り「コロナ禍があったからこそ、当たり前に過ごす感謝の気持ちが私自身芽生えたし、他の人も芽生えたと思う。いろんな困難があったからこそ。なんかすごくほっとした気持ち。みんなのこういう晴れの姿を見るとうれしくなります。卒業しても、関大は応援します!」と応援継続を誓っていた。
【関連記事】
【写真】「関大で一番おもろいやつ誰やねん選手権」に出た関大生時代のゆりやん
関西大学応援団が100周年記念祭 節目の団長は女子!鈴木れな穂さん「まさか自分が…」