高橋大輔さん(左)と長光歌子コーチ(2018年撮影)

「フィギュアスケート・全日本選手権」(25日、さいたまスーパーアリーナ)

北京五輪代表選考会を兼ねたアイスダンスのフリーダンス(FD)が行われ、リズムダンス(RD)2位だった関西大学KFSCの村元哉中(かな、28=16年人間健康卒)、高橋大輔(35=08年文卒)組は112.96点、合計176.31点で2位に終わった。注目の五輪代表は、26日に発表される。以下、競技終了後のかなだいカップルの一問一答。

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-フリーダンスを終えての感想は

高橋「そうですね…ちょっとローテーショナルリフトでバランスを崩しかけたり、コレオスライドの時にバランスを崩しかけたり。僕の方がミスがあったんですけど、ただ、まあリズムダンスの演技を終えて1日あって、きのうの練習で何かうまくいかないことがあったので、すごく心配していたんですけど、気持ちを切り替えてきょうは朝の公式練習からフリーダンスに。演技的にはいい演技ができたと思うので、細かいミスは抜きで。リズムダンスの悔しさが大きいかなというのはあります」

村元「えーっと…そうですね。きょうのフリーダンスは本当に、もう…何も考えずに〝かなだい〟の世界を思う存分に表現したいなという気持ちが強くて、細かいミスはあったんですけど全然気にならず本当に滑っていて気持ち良く…気持ち良く滑れたので、何か自分達へのいいクリスマスプレゼントになったかなと。結果は本当に悔しい…悔しくて、結果が出た後も悔しいという言葉しか出てこないんですけど、悔しい中でも達成感と…」

高橋「収穫と、成果。いろんな気持ちが…」

村元「いろんな思いがあります」

高橋「入り交じってます」

-長光、濱田コーチとはリンクサイドでどんな会話をした?

高橋「別に…きょうは結構集中していたので」

村元「先生が『きょうは2人でひとつになって』って。『私たちも2つでひとつだから』」

高橋「(笑)」

-昨年と同じ2位という結果だった

高橋「去年の2位と今年の2位はまったく違う。同じ悔しさというのがあったんですけど、本当に今年は準備をしてきた中での2位になってしまったので、悔しさはより一層強いっていうのはあります」

村元「今さらなんですけど、リズムダンスの転倒がなかったら優勝だった。きょうのフリーダンスの演技をしていたら優勝だったと思って。去年の悔しさとはまったく違うレベルの悔しさっていう感じです。でも、まだ2 シーズン目でここまで来れたっていうのがすごいことだなと思います!それこそ大ちゃんのシングルからアイスダンスになったっていう2年間でここまで収穫できたというのがそれこそ〝超進化〟だと思っているので、まだ進化中だとは思うんですけど、まあいろんな…そうですね、悔しいです」

高橋「試合も、数でいうと6試合目?2シーズンで経験値も少ない中で、着実に収穫はしていってるので、悔しいですけど、結果は結果なので。自分達の成長は感じつつ、それは誇りにしたいと思ってます」

-リズムダンスの悔しさから2日間、気持ちの変化はあった?

高橋「僕は(アップダウンが)めちゃくちゃありました。きのうの練習が本当に何か…何というかな。自分自身でもコントロールできないくらいばらけてしまって、それが本当に公式練習の時に切り替えたつもりだったんですけど、切り替わってなかったのか不安を残してきょうに入ってきたんですけど。きょうは朝から落ち着いて滑ることができたので、きのうは一体何があったんだろうというくらい僕はすごく焦っていて、ちょっと差がありました。いつもあの状態から持ち直すのも難しいと思うんですけど、うまく切り替えて、本番に向けて、本番も落ち着いて滑ることができたので、そこは成長したのかなっていう風に思います」

村元「そうですね、私はリズムダンスを終えたときは本当に『は~っ』。悔しくて落ち込むというよりかは『はぁ~』って感じで。まだ悔しい感じだったんですけど、意外にすっと切り替えられたというか、あまりやってしまったこと、終わってしまったことは…。マリーナ(・ズエワコーチ)にも『切り替えて』って言われていたので、あまり考えてはなかったというか、すぐにフリーはどう滑りたいかという集中はできていたので」

-今回マリーナコーチから名言は?

村元「名言…今回も同じように去年言われた『まっすぐの道は地獄にしか行かない』とか、プーマのように滑って来なさいとか」

高橋「お互いのコーチ…シングルの時のコーチに立っていただいて、もう2人のために滑ってあげなさいと言ってくださった」

村元「きょうの朝の練習は『enjoy life!』って言われました。スケートとか関係なく、この人生を楽しみなさいみたいな感じのことを言われた。『すてきな1日を!』みたいな」

-五輪代表発表へ自分達のいまの立場をどう受け止めていますか?あしたをどう迎えるか

高橋「まあ~マジでわかんないですもんね」

村元「選考基準がいま(小松原組と)2-2なんですよね。はっきり分かってないんですけど」

(注=五輪代表は全日本選手権の成績(小松原組)、全日本選手権終了時の世界ランク(小松原組)、今季の世界ランク(村元、高橋組)、今季の最高得点(村元、高橋組)から日本スケート連盟が総合的に判断して決める)

高橋「あしたフタを開けるまでわからない状態なので、考えないようにしようかな(笑)。考えても仕方がないですし」

村元「自分達がきょうできることは全力を出してしたので、本当に…」

高橋「悔やまれるのはリズムダンスっていうところに最終的に…」

村元「悔しいという言葉しか出てこないんですけど」

高橋「ふだんしているミスだったらいいんですよ」

村元「そうそうそう!」

高橋「しないミスだったので」

村元「どうなるんだとろうということを考えてもキリがないので、あしたまで」

高橋「クリスマスを楽しみたいな、と(取材陣から笑い)。やっと緊張感から解放されたので。きょうはクリスマス楽しもうかなあ、考えても」

村元「ポジティブに気持ちを強く持って選ばれたらすごくうれしいなと思いますし」

高橋「ポジティブに。あしたまで過ごしていようかなと思います」

-切磋琢磨し合った小松原組の存在というのは?

高橋「北京五輪っていうところも頭にあった。僕は考えないようにしてますけど。ライバル関係ってところが、先シーズンなんかは本当に追いつけていなかった。という部分で、今シーズンはまた同じくらいのところまで戦えるというのができて、そういった中での緊張感っていうものを全日本選手権で持てて。NHK杯の時はダンス初めての国際大会っていう感じでどうやったらいいかわかなかったんですけど、フレッシュな気持ちだったんですけど、3試合目でいろんなところも知らず知らずに考えたりして、自分なりに自分で自分にプレッシャーをかけたりとか、そういった中で相手がいるってことは僕たちの成長っていったものをまだ上げてくれるんだな、いろんな経験をさせてもらえるんだなっていうのを感じられたので、本当に今、試合をしているって感じでした」

村元「そうですね。私も去年、何ていうのかな……クリス(・リードさん)と組んでいた時は、1位を追いかけてる立場はなくて、あんまり自分たちのベストをつくすっていうことだけを考えてて、追いかける地位にはいなかったと思うんですけど、今回大ちゃんと組んでからは初心、ゼロからスタートしたというところで、本当にライバルを追いかける立場になって、何か自分にとってはすごい新しい経験、初めての経験というのか…。もちろんアイスダンスし始めは同じだったんですけど、世界を目指すっていう立場からすると、トップを狙いに行くというのはそう簡単でないなというのは実感しましたし。でも2年、コロナ禍でいろいろあった中で、2シーズン目にここまで来られたのは本当大ちゃんすごいなと思うんですけど、もちろんライバルではあるんですけど、自分たちの成長をすごく楽しんで試合に臨んでたかなっていうのが正直な実感です」

(取材陣に「メリークリスマス!」と声をかけながら、2人はミックスゾーンを後にした)

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