ミスター&ミスキャンパス関大2018の決勝大会が2日、大阪市の阪急うめだホールで行われ、第7代ミスター関大に甲斐樹さん(かい・たつき、21=化学生命工3)、第9代ミス関大に佐々木友莉さん(20=商3)が選ばれた。ファイナリスト男女各6人の中から、10万票を超えるウェブ投票と会場の観客600人の投票で決まった。
理系男子らしからぬ〝甲斐キャノン〟でアッと言わせた。白衣姿で円周率を50桁までそらんじて笑いをとった後は、豪快なバック宙を披露して600人の喝采を浴びた。9月下旬から体操教室に通い、約2カ月で大技をマスター。「特技が何もなくてみんな特技がすごかったので負けたくなくて…。補助なしでやったのはきょうが初めてです」と度胸を見せた。
所属する関西大学のテニスサークル・INNOCENTZのメンバーやバイト先の店長など、85人の大応援団がかけつけた。「数少ない中学、高校の友達も来てくれた…」と多感な時代を振り返る。中、高時代はクラスの輪に入れず、昼休みが辛くて昼食を抜くこともあった。大学でも無為な毎日を過ごしていたという。
候補者を探していたミスキャンパス関大のスタッフが、甲斐さんに声をかけた。一度は断ったが、何かを見つけたいと思い、ミスター関大の候補者としてエントリーした。「自分が感じた寂しさや辛さを人には感じさせないように、グランプリの名に恥じないような生き方をしていきたい」。投票してくれた人の力で、自分を変えるきっかけをつかんだ。
化学生命工学部で金属を学ぶ21歳。「メーカーに行きたい。周りの人は就活をぼちぼちやり始めている感じ。出遅れましたね…」と笑う。全国の大学生ミスターが集う大会にも挑戦するつもりで、〝隠キャ〟だった甲斐さんが全国舞台でスポットライトを浴びる。