雨の中未成年飲酒防止啓発のチラシを配る関大生=6日、千里山キャンパス

関西大学の学生有志ら100人が6日、千里山キャンパスで未成年飲酒や飲酒強要(アルコールハラスメント)防止を呼びかけるチラシ2000枚を配った。

新歓シーズンの恒例行事で、今年で8回目。吹田警察署や大阪府小売酒販組合吹田支部などとともに啓発活動を行っている。降りしきる雨の中、有志の学生らが道行く関大生に「未成年飲酒防止キャンペーンをやっています。未成年飲酒は絶対にやめましょう」などと声をかけていた。

学生有志代表で、統一学園祭常任委員会委員長の佐藤佑樹さん(20=経済3)は「この時期だからこそ、未成年飲酒防止の啓発活動をやる意味がある。チラシを渡した1回生や関大生が、少しでも分かってくもらえたら。大学生のあるべき姿を考えてほしい」と訴えた。

1990年代初めまで、関西大学千里山キャンパスでは新歓シーズンや統一学園祭になると、急性アルコール中毒になった学生を搬送する救急車が数珠つなぎになる光景が多く見られた(今ならネットで大炎上しそうですが…)。

現在は大学院棟となっている同キャンパスの第1グラウンドで行われていた統一学園祭の後夜祭では、関大生のみならず他大学の学生も集結。酒に酔った5000人超がキャンパス内や関大前で、暴動寸前の騒動を繰り広げていた。ここでは到底書けないようなやらかしをした団体のせいで93年、後夜祭は全面禁酒に。新聞などでも大きく取り上げられた。

2007年には文学部の学生だった織田信成さんがミニバイクの酒気帯び運転で検挙され、当時副学長だった芝井敬司学長とともに涙の謝罪会見を行っている。大学側はそれを機に、未成年飲酒が発覚したクラブ・サークルには廃部や活動停止といった“一発レッド”も辞さない姿勢を強硬にとり始めた。

新歓コンパという言葉が死語になるほど、最近では新歓からアルコールの匂いがしなくなったが…。関西大学が2016年に行った学生生活実態調査では、関大生の4割が未成年飲酒について「各人の判断や酒量に応じて飲めばよい」と回答。順法意識の緩みを指摘する声もある。

未成年飲酒やイッキ飲みによる悲しい事故を無くしたい。浮かれがちな春だからこそ、有志の学生たちは声高に叫び続ける。【横山竜大】

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