学園祭の裏方として3年間、心血を注いできた山根さんが表舞台で輝いた。「日本一の学園祭を目指してきましたが、グランプリへの思いは誰にも負けなかったと思います。人生でいちばん、人の温かさに触れられた半年間でした」。11月2日から4日間の日程で行われた今年の関西大学統一学園祭では、学園祭ライブなどの目玉企画を運営する企画構成委員会の委員長を務めた。約8万人が訪れる一大イベントを支えてきた男が、多くの人に支えられグランプリに選ばれた。

滋賀県出身。歴代ファイナリストの姿にあこがれ、意を決して応募した。7月の予選会で、候補者20人の中からファイナリストに選出。「いろんな人の気持ちを背負って、頑張ろうと思った」と振り返る。その頃始めたフラワーアレンジメントを、最終ステージで披露。情熱の赤い薔薇と白いユリで、ミスキャンにかけた思いを表現した。

750人を超える関西大学の学園祭実行委員。実家から通学していても、学園祭直前の1〜2カ月は準備のため、関大前に自費で下宿を借りる学生が多い。山根さんもその一人だった。学園祭とミスター関大だけを考えた数カ月。「きょうまで就活のことも考える時間がなかった。壇上から両親に感謝を伝えました。これまで一度も面と向かって、感謝を伝えたことはなかった」。優しく見守ってくれた両親に、目を配る余裕がようやくできた。

「いろんな人にきっかけを与えたい。次の舞台はまだ未定です」と話す6代目ミスター関大。好きな言葉は完全燃焼だという。学園祭は3回生で引退。ミスキャンもやり遂げた。残り少ない大学生活で、山根さんが次に渾身の力を込めるステージはどこだろうか。

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