今年もしっかりとオープンしていた!関西大学人間健康学部・安田忠典准教授(50)のゼミ生による海の家・KUcafeが、和歌山県田辺市の扇ヶ浜海水浴場で営業中だ。8月20日までの1カ月間、ゼミ生38人が交代で現地に住み込み、海の家を運営している。【写真・和歌山県田辺市の扇ヶ浜海水浴場で営業中の関大生による海の家・KUcafe】

台風5号が和歌山県を直撃した日の翌日、海の家は出ているのかな…と半信半疑でビーチに向かった。JR紀伊田辺駅から歩くこと20分。あった!目に飛んできたのはハイビスカスとポップなカキ氷の絵が描かれた壁。ハワイアンテイストなフードやドリンク、カクテルが並び、海水浴客のテンションを上げていく。昨夏に続く2年目の海の家。1日で20万円以上を売り上げる日もあるという。

安田ゼミの真価は、活動の幅の広さだ。海の家運営の傍ら「楽しいんやさかい大和川水辺の楽校」や「熊野本宮子どもエコツアー」、「夏休み自由研究フェスティバル」を開催。昨年はゼミの活動が評価され、国から内閣府特命大臣表彰(子供・若者育成支援部門)を受賞。堺市から環境活動表彰、大学からも学長表彰、学部卒業研究優秀賞を受賞した。

ゼミの活動日数は年間100日を超える。なぜ、こんなしんどいゼミに入るのだろう?大学行事に積極的に参加したことがなく、活発的なゼミに入りたかったという学生が多かった。安田准教授は「シラバス(学習計画)に厳しく書いてるんですよ、時間と情熱がある人だけ来てねって。それだけの時間をかけてますから」と話す。

海の家の代表を務める藤井貫太朗さん(人間健康4=21)は「今年はゼミの夏ですね」と、大学生活最後の夏を扇ヶ浜ビーチに全力投球。瀧川充紀さん(たきがわ・あつき、人間健康学部4=21)も「今後に向けて、もっともっと地域の人と繋がりを広めていきたい」と意気込む。

ゼミ生は、地域から提供される空き家で1カ月共同生活。家族のような固い絆でお互いを支え合っている。カップルが誕生することもあるという。研究は体験学習に主眼を置く。チームビルディングを学び、ゼミ内の組織づくりをした後、学外に飛び出して地域の人々と活動する「場づくり」がテーマだ。

大変そうという噂は、活動の面白さが評判を呼び、しだいに羨ましがられるようになる。先輩たちも1年休学してディズニーランドで働いている人や、日本一周をするなど個性あふれる人ばかり。ゼミ生は日々、自分が知らない領域を学んでいく。

日本一キツ〜いゼミは、賞も総ナメにする驚きのゼミだった!【山本朝子】

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