レジェンド母校に帰る。プロ野球・阪急(現オリックス)の元投手で、引退後は阪神の1軍投手コーチなどを務めた山口高志さん(やまぐち・たかし、65=73年社卒)が、今季から関西大学野球部のアドバイザリースタッフに就任。3季ぶりのリーグ制覇、そして神宮へ。伝説の豪腕が、学生の指導やスカウトの面で母校の野球部を支援する。

照れや遠慮はなかった。親子以上に年が離れた野球部員に対し、豪快な投球フォームを交えながら指導する。「びっくりするのは選手の多さやなぁ。昔は15人くらいやった。まだ名前と顔が一致しない」と笑いながらも、150人を超える部員に目を光らせた。

阪神投手コーチ時代には、藤川球児、岩田稔といった投手を大成させた。昨年、同球団を退団。2月、プロ野球関係者が学生野球を指導するために必要な学生野球資格を回復した。

「何年も前から〝最後は母校で教えろよ〟と、先輩方の意見があった」。野球人生の集大成の場所を、関西大学のグラウンドに選んだ。【写真上・学生を指導する山口高志さん(左) 写真下・早瀬万豊監督(左)と山口高志さん=安芸市営球場】

3月上旬に行われた高知・安芸キャンプにも帯同した。いまの野球部員の上級生と下級生の仲の良さに、隔世の感があったという。

「チームワークの輪をもって制するというか、チームワークが先に来るのもいいんじゃないかな。でも、仲良し軍団になってもらっては困る。明るく、楽しく、厳しく」。厳しくの部分に、グッと力を込めた。

同部の早瀬万豊監督(はやせ・かずとよ、57=82年経済卒)は、スタッフ就任効果を期待する。「学生への刺激になると思っている。プロで41年続けられたのはとんでもないこと。言動や行動に、どれだけの重みがあるか感じて欲しい」と、山口さんの指導を見つめる。

リーグ戦ではベンチ入りこそしないが、スタンドから毎試合見守るという。「プロや社会人でやる選手もいれば、高校野球の指導者になる人もいる。しっかり指導するので、勉強して4年間で卒業して欲しい」。山口さんの指導の基には、学生や球界の未来を見据えた高い志がある。
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