パリ五輪セーリング日本代表の西田カピーリア桜良さん=関西大学千里山キャンパス

パリ五輪(7月26日開幕)に関大生として唯一出場するセーリング混合ナクラ17級日本代表の総合情報学部4回生西田カピーリア桜良(おうら)さんが、関西大学千里山キャンパスで前田裕学長(68)、芝井敬司理事長(68)に五輪出場内定を報告。ブームスポーツなどの取材に応じた。同学部から初の五輪出場で、体育会に所属していない一見、フツ~の関大生女子が4年に一度の大舞台へ挑む。

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西田カピーリアさんは4月20日から27日に仏イエール沖で行われたパリ五輪最終予選「ラストチャンスレガッタ」に、飯束潮吹さん(いいつか・しぶき=32)との男女混合ペアで出場。総合5位、国別4位で出場枠を獲得した。

前田裕学長(左から2人目)、芝井敬司学長(右から2人目)に五輪出場内定を報告した西田カピーリア桜良さん

最後の1枠を、わずか1ポイント差で五輪出場を勝ち取った。「うれしかったですし、レースが始まる前にすごい手足が震えるような緊張とかもあった。結構ギリギリの戦いになっていたので、決まった瞬間力が抜けて、5回くらい泣きました」と、歓喜の瞬間を振り返った。

西田カピーリアさんは、三重県津市生まれ。生後すぐに大阪府高槻市に移り住んだという。父・クラウディオさん(57)がイタリア出身で、3年間同国で暮らしていた時期もあった。「5歳の時にイタリアのヨットスクールに入れてもらって、そこで初めてヨットに触れた。元々海が好きで、海に入るのも好きだった。夏休みイタリアに行ったらヨットに乗って、遊ぶような感じ」と、幼少から海上を走ってきた。

イタリア人のコーチに師事。関大一高時代から、五輪を意識し始めた。クルー(ヨットのバランスを取り、コントロールする役割)の西田カピーリアさんは、東京五輪にも出場したスキッパー(かじを取るポジション)の飯束さんから「タイミング良く、声をかけていただいて決まった」とペアを結成。2021年12月から本格練習を始めた。

セーリング混合ナクラ17級の魅力をプレゼンする西田カピーリア桜良さん

競技として、まだまだなじみが薄いセーリング混合ナクラ17級だが、西田カピーリアさんは学長や理事長、集まった報道陣を前に競技の魅力をプレゼンした。

カタマランと呼ばれる双胴船と、フォイルと呼ばれる水中翼が特長。1レース30~40分で、マークと呼ばれるブイを決められた順に周り、フィニッシュラインを切る。1位なら1点、10位なら10点と得点が付き、得点の少ない艇が上位となる。

セーリング競技では最も速い時速35~40キロが出る。揚力で艇が海面から浮かび上がり「ヨットの五輪種目で唯一、フォイリングっていう飛ぶ種目になる。スピードも速い。スピードを出すまでのセッティングが大変なんですけど、スピードがハマった時に得られる達成感がすごい魅力」と熱く語った。

五輪出場内定後に登校した高槻キャンパスでは、周囲から祝福を受けた。「全然知らない子からも連絡やメールが来たり…。『同じ関大ですごい』『うれしかった』みたいな感じで連絡が来た」と、反響を明かした。

6月に、パリ五輪セーリング会場となるマルセイユで練習を行った。「海外に長く行ってると、日本のテレビがすごく恋しくなる。それこそTVer(ティーバー)がすごく活躍してて…。今『おいハンサム!!』にめっちゃハマってる。バラエティのお気に入りは『月曜から夜ふかし』。それを見たりして気分転換で、明日も頑張ろうという気分になる」と、リラックス術も身につけている。

学長や理事長からも祝福され「開会式が楽しみです。ちゃんとテレビに映れるように、目立ちたいと思います」と宣言。目標を「最後のメダルレースに出て、入賞すること」と掲げた。名前の桜良は「ラテン語でオウラというのがお祈りって意味。そこからつけてもらいました」と明かす西田カピーリアさん。マルセイユの海で、入賞を目指す関大生女子の祈りはきっと通じる。【小野桃子】

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