関西大学で卒業式、6790人が門出 学長が送辞でジャルジャル・福徳さんにツッコんだエピ披露「暇は無駄ではない」

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千里山キャンパスで行われた関西大学の2020年度卒業式

関西大学の2020年度卒業式が19日、千里山キャンパスなど4キャンパスで行われた。新型コロナウイルス感染防止のため、千里山キャンパスの中央体育館に卒業生を集めての式典は2年連続で中止に。卒業生以外の学生や保護者のキャンパス入構は制限されたが、早朝から記念撮影をしようとする学生・保護者で正門はごった返した。大学によると、2020年度の卒業生は13学部6790人。入学した2017年4月の新入生は7268人だった。

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卒業生は各学部やゼミごとに教室へ集まり、YouTubeでライブ配信された式典を視聴する形式で行われた。千里山キャンパスの100周年記念会館から生配信された午前10時からの式典では、前田裕学長(ゆたか、64)が、各学部の総代になった学生に学位記を授与。学歌斉唱はなく、学歌のテープが流される異例の卒業式ライブ配信となった。

前田学長は送辞で、お笑いコンビ・ジャルジャルの福徳秀介さん(37=07年文卒)と対談した時のエピソードとして、福徳さんが「彼は関西大学の生活を振り返り『暇があった、暇があった』と言うわけです。思わず『暇じゃなく、自由な時間があったと言ってください?』とツッコミましたが…」と、キングオブコント制覇やM-1決勝にも進出したお笑いのスペシャリストにツッコんだことをややどや顔で明かした。

福徳さんが「楽しい、華やかな思い出はない。暇があった」と関大生生活を懐しんだことを引き合いに出し「この暇の時間に、彼はコントのネタを考え、彼自身の将来のことを、真剣に考えていたわけです。暇かと思っていたかもしれませんが、無駄な時間ではなかったはずです」と強調。卒業生の中に「勉強をして卒業したけれども、大きな思い出はないし、なんとなく大学生活が終わった」と思っている人がいるとし「しかし、そんなことはないはずです」と呼びかけた。

前田学長は「しなやかに自分を変えながら、したたかに自分の未来に挑戦して下さい。関西大学で過ごしたみなさんの日々が、これからのみなさんの未来につながっていくことを願ってやみません。関西大学はいつまでも、みなさんとつながっています」とはなむけの言葉を送った。

千里山キャンパス正門の「関西大学」の校標をバックに写真を撮ろうとする列は、最長で60〜70メートルに。「1時間待ち」との声もあり、午後9時ごろまで途切れることはなかった。

社会学部を卒業し、春から金融関係の会社員になる柳澤有咲さん(22)は「いつも授業を受けていた教室から(配信で)式典を見ていたので、独特の雰囲気もあって良かった。ゼミの仲間ともきょう会えた。春からも遊ぼうねと声をかけ合った」と話し、まだまだ卒業の実感がわかない様子。

経済学部を卒業した大仲僚さん(22)は、4月からIT関係の会社員に。コロナ禍に見舞われた4回生の1年間を思い返し「遊びに行ったりしたかったんですけど、自粛続きで苦しかったです。良くも悪くも刺激的な4年間でした」と笑みを見せた。

関大前では4年間慣れ親しんだ〝青春の味〟を楽しもうと、ラーメン店や飲食店に並ぶ光景が見られた。つい最近まで、緊急事態宣言による時短要請が出ていたとは思えないほどの大混雑。店主の「きょうだけ、コロナ前の関大前が戻ったみたいやなあ」との言葉が、印象的だった。

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