関西大学応援団バトン・チアリーダー部の定期公演「HELIOS POWER`20」が18日、吹田メイシアター大ホールからオンライン配信された。29回目の〝ヘリパ〟は、新型コロナウイルス感染拡大の影響で初の無観客開催に。YouTubeでライブ中継され、ピーク時には最大1000人が視聴。海外からもコメントが寄せられた。
ステージ上でスポットライトを浴びた同部部長の門屋薫乃さん(かどや・ゆきの、21=政策創造4)は「何もかもが、思うようにいかなかった1年。ここに立てているのは、仲間とたくさんの人の支えと、応援があったから。この57人でヘリオスパワーを開催するという目標を達成できているいま、私は幸せです」と、引退する12人の4回生部員を代表して感謝を口にした。
コロナ禍は、チアたちに向けて逆風を吹かせた。異例ずくめの1年だった。門屋さんは「今までに味わったことがない悔しさと、たくさんの困難があった」と振り返る。応援する舞台は、どんどん奪われていった。関西学生野球秋季リーグの応援こそ球場に入れたものの、スタンドで座って拍手するだけに。声すら出せなかった。
約1年間の準備期間を費やすというヘリオスパワー。緊急事態下の活動自粛や、チアリーディングの見せ場のひとつ、スタンツ(組体操のようなもの)も3層以上が禁止に。演技内容の再考も余儀なくされた。無観客開催は8月に決断。練習人数も限られる状況に、門屋さんは「お客さんを入れたかったが、他の部活も無観客で試合をやっている。3層のスタンツがなくて、考えるのが難しかった。本当にヘリパができなくなるんじゃないかと…」と危機感を募らせていた。
不安と焦りで、押しつぶされそうになったこともあったが「この状況を受け入れてやっていくしかない」と腹をくくった。門屋さんらが掲げたヘリオスの活動方針は「ONE HEART」。ひとりひとりが輝くことで、チームとして大きな力を発揮し、チーム全員で心をひとつにしていくという思いを込めた。
2日間の最終リハーサルを経て、臨んだ約140分の生配信。さまざまなステージで、今年できなかった応援を存分に披露した。ミュージカル「キャッツ」にも挑戦。チアの演技やダンスを、劇中に織り交ぜた。1年間の思いを凝縮させた門屋さんは「やり切ったという思いです」と完全燃焼した。
ラスト舞台を終えた門屋さんは「今まで当たり前としか思えなかったことが、こんなに幸せだということに気づくことができた。たくさんの人に支えられて、ヘリオスは活動できている。感謝を忘れずに活動してほしい」と後輩たちに思いを託す。
応援する舞台があることへの喜び。57人の情熱が、スマホの画面からあふれるほど伝わってきた。
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