関大生が学費一部免除を求める署名と請願書学長に手渡す…大学は減額拒否

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芝井敬司学長に署名を手渡した(左から)那須幸実さん、徳山湧人さん、尾池実さん=5月19日撮影

関西大学の学費一部免除を求める学生有志が19日、千里山キャンパスで2719筆の署名と請願書、オンライン授業に対する関大生へのアンケート結果などを芝井敬司学長(64)に提出し、回答を求めた。大学側は22日、学長室の担当者名で学生有志代表にメールで回答。学費の減免や、ひとり暮らし学生に限られている5万円給付を自宅生にも広げることには応じられないとして拒否した。

【写真】ジャルジャル・福徳秀介さんの訪問を受ける芝井学長

社会安全学部4回生の徳山湧人(ゆうと)さん(22)ら学生有志24人は、新型コロナウイルスの影響を受けた関西大学のオンライン授業で「例年通りの授業が行われず施設などが使えないのに、学費が通常通りなのは疑問」などとして、4月からオンライン署名収集サイトで署名活動を開始。徳山さんと那須幸実さん(22=法院1)、尾池実さん(20=社3)の代表者3人が19日、芝井学長に署名と請願書を手渡した。

請願書では学費の減額や施設利用料など内訳の説明、オンライン授業にかかる整備費用などへの経済的支援として、ひとり暮らし学生に限られている5万円給付を全学生に広げるよう要望。31日までの回答を求めた。芝井学長は回答について約束しなかったが、署名と請願書を受け取り、大学の新型コロナウイルス対策本部会議に提出することを明言した。

3人は芝井学長と約1時間面談し、意見を交換した。学費の減額などを求めた徳山さんらに対し、学長は「建物の建設費用や施設費など何十年にも渡るスパンで学費を算出しているし、教員の研究費用も支払わないといけない。学費の減額はできない。5万円を全学生に渡すのは賛成できない」と主張した。

また、芝井学長は面談で、個々の関大生の声すべてに対応するのは無理とした上で「大学と交渉したいのなら学部ごとに自治会をつくるべき。そこで意見を集約して持って来て欲しい。今回の署名活動は自治会に準ずるものとして対応した」と話し、関大生による自治会組織などに対しては交渉に応じるとした。なお、現在関西大学の13学部すべてで自治会組織は存在しない。

学生有志のもとに22日、請願には応じられないとする大学からの正式回答が届いた。この日開かれた新型コロナウイルス対策本部会議に、請願書を提出したという説明も受けたという。徳山さんは「署名活動をしましたが無理でした、終わりました…というわけではなく、今回をきっかけとして次につなげたい。賛同してくれている学生の疑問は増えている。今後どういう風に方向性を持っていくか、話し合っていきたい」とした。

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