関西大学KFSCの高橋大輔さん(32=08年文卒)が14日、大阪府高石市の府立臨海スポーツセンター(臨スポ)の改修工事完成記念イベントに出演。関大生時代の練習拠点だったリンクに立ち「このイベントに参加できることをうれしく思う。ここからまた世界で活躍できるスケーターが育っていくことを祈っている」と笑顔を見せた。
松井一郎大阪府知事(54)は「臨スポの復活に合わせたかのようなタイミングで、高橋大輔さんが復活された」とあいさつ。この日は演技を披露しなかったが、会場を埋めた350人の観客から「おかえり〜」との声が飛ぶ。イベントのラストでは、同センターの練習生たちとDA PUMPの「U.S.A」を踊った。
【写真】奇跡の1枚!4年前の臨スポ御礼イベントで高橋大輔さんが魅せた感謝の舞
高橋大輔さんや町田樹さん(28=2015年文卒)ら関大生スケーターの練習拠点となった同センターは2008年、大阪府が耐震化工事費を出さないと決定して存廃問題が浮上。高橋さんらが大阪府に支援を訴え、松井知事は耐震化工事費用約3億円の半分1億5千万円を集めることを存続条件とした。
チャリティー演技会開催など募金活動を行っていた2012年10月、高橋さんの活動を知った匿名の人物から「センターで練習する子どもたちの笑顔を守りたい」とのメールとともに、1億3千万円の寄付があった。13万2000人の署名と約2万件の募金で1億5200万円が集まり、存続とともにリンク面積が国際規格に拡大された。
イベントを主催した同センター支援の会の高林永統(ながつね)会長(56)は、感慨深い表情でテープカットに臨んだ。「10年前に臨海スポーツセンターの廃止案が出たが、うれしい10年間でもあった。挫折もあったりしたが、窮地に立った時にいつも助けてくださったのは高橋選手。リンクの環境は一番良いものになった」と存続に尽力したメダリストに視線を向けた。
かつて拠点としていたリンクが閉鎖され、関西大学たかつきアイスアリーナが完成した2回生までは臨スポで日々練習していた高橋さん。「奇跡だと思っている。(目標金額は)集められると思っていなかった。このリンクは残ってほしかった」と振り返った。奇跡のリンクに現役選手として立った32歳のスケーターは、新たなドラマを生み出そうとしている。【小野桃子、村岡すみれ】
イベントに出演した高橋大輔さん=府立臨海スポーツセンター(撮影・白井康平)
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