7月6日から8日まで、京都市の東山青少年活動センター創造活動室で上演される幻灯劇場の公演「ラッツィ・バッツィの耳を1000回殴る」の公開舞台稽古が24日、同所で行われた。
幻灯劇場は2013年、劇作家の藤井颯太郎さん(23)が兵庫県立宝塚北高校演劇科在学中に旗揚げ。藤井さんは2014年に戯曲「ユメミルコリオ」で、第4回せんだい短編戯曲賞を受賞している。56デシベル以上の音を出してはいけないという制約を、観客にも課す実験作「56db」は昨年、文化庁文化交流事業として韓国の演劇祭でも上演され高い評価を得た。
学生演劇祭の大賞や観客賞を総ナメにするなど、関西の小演劇界で勢いのある劇団のひとつ。今年3月に上演されたロックミュージカル公演「DADA」には関大生の劇団員・小野桃子さん(20=経済3)、城野佑弥さん(21=経済3)も出演した。
【動画】「ラッツィ・バッツィの耳を1000回殴る」の見どころを動画で紹介
第8回公演となる「ラッツィ・バッツィの耳を1000回殴る」は、天才音楽家・モーツァルトの「レクイエム」を、音楽を知らない妻・コンスタンツェ(橘カレン)と才能のない弟子・ジュスマイヤー(戸根亮太)が、自分の生活のためめちゃくちゃにする喜劇。
夫の死後、曲の依頼者から完成を迫られたコンスタンツェは、モーツァルトから変態クソ野郎を意味する〝ラッツィバッツィ〟と呼ばれていた弟子を頼る。ジュスマイヤーはパスターヴィッツ牧師(谷風作)とおっさんずラブの関係にあり、コンスタンツェは同性愛の事実を世間にバラすと脅して曲の完成を誓わせるが…。史実にはない架空の女の子・エルマ(今井聖菜)を混じえ、天才の遺作を凡人たちが一生懸命台無しにしていく。
作・演出を手がけた藤井さんは、幻灯劇場初の喜劇に性的少数者の苦悩などを織り込んだ。「垣間見える苦悩を喜劇として観た時に〝笑えないけど、可笑しい〟という矛盾した感覚が生まれる。共犯的な笑いを目指したい」と狙いを話す。
関西大学入学前から同劇団の女優として活躍し、今公演ではプロデューサーを務める小野さんは「今回プロデュースしている作品です。京都観光の一部として、演劇はいかがでしょうか!喜劇に挑戦しています。モーツァルトな空間で笑ってもらいたい」と、目前に迫った本番に向けタクトを振っていた。
【公演情報】幻灯劇場第8回公演「ラッツィ・バッツィの耳を1000回殴る」
【日時】2018年7月6日(金)14時/18時30分 7日(土)13時/18時30分 8日(日)13時
【会場】京都市東山青少年活動センター 創造活動室(京阪本線「清水五条駅」より徒歩15分)
【料金】一般2500円/25歳以下2000円/高校生1000円(当日一般・25歳以下2800円、高校生1500円)
※6日14時の回は一律1500円
【チケット予約】https://ticket.corich.jp/apply/92338/
【公式ウェブサイト】https://gentou-gekijou.themedia.jp