関大生のキャンドルに、人だかりができた。大阪市の梅田茶屋町一帯で1日、1000000人のキャンドルナイト@OSAKA CITY 茶屋町スロウデイ2017が行われ、昨年9月に梅田キャンパスを開学した関西大学が初参加。いつもは騒然とした茶屋町が、ゆるやかな光に包まれた。【写真上・茶屋町に設置された環境都市工学部によるブックスペース 写真下・梅田キャンパス前のキャンドルアート】

同キャンパス前では、15人の学生有志による約340個のキャンドルが照らされた。環境都市工学部木下 光教授(48)の研究室と人気書店・スタンダードブックストアがコラボし、商業施設NU茶屋町プラス北側には強化ダンボールでできた曲線状の本棚を設置。茶屋町ライブラリーと銘打たれたブックスペースに、多くの人が立ち止まる。

周辺の企業や大学、地域団体などが協力し、茶屋町のにぎわいをつくり新しい魅力を発信するキャンドルナイトは昨年始まった。梅田キャンパスの服部真人事務室長(46=94年法卒)によると、関西大学も実行委員会にメンバーとして参画。「学生が参加できるようなイベントをやりましょうと提案された。 都心なので、一般への浸透度が千里山キャンパスと違う。一般の方への一度事例ができると、来年から学生もやりやすくなる」と参加の経緯を振り返った。

ボランティアセンターの学生と学生有志によるキャンドルアート「水無月の輝き」。キャンドルの炎で、KANDAI×UMEDAという文字が浮かび上がった。関大生が約2カ月かけて、テーマやデザインを考案。 梅田キャンパスが関大生や社会人の架け橋となり、未来で輝く「関大人(じん)」を創出する場になってほし い、との願いを込めた。武市広紀さん(19=文2)は「梅田キャンパスや地域を盛り上げたいし、続け てやっていきたい。立ち止まって見てくれたなら本望です」と盛況ぶりに目を細めていた。

ダンボールでできたとは思えないブックスペースが、ひときわ目を引く。100冊の本と60個のキャンド ル。ダンボールを覆う和紙とろうそくの炎がなじみ、波形の本棚が柔らかさを演出していた。木下教授は「縁側みたいな形で、街と人と本の関係を風景にしたかった」と狙いを話す。茶屋町のど真ん中にできた縁側で、道行く人が本を手に腰掛けていた。

製作を手がけた東松(ひがしまつ)幸佑さん(23=工院1)は「本を取りやすく、座る人同士がお互い向き合っても気にならないよう心がけた。工学部棟の地下2階でずっと作っていました。ほぼ寝ていないです…」と振り返る。当日の午前4時までかかった力作は、凜風館に展示されることが決定。関大生の情熱が、炎を揺らした。

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