関西大学商学部4回生の早瀬周子さん(22)がプロデュースした映画「無味無臭な人間たちへ」@mumimushu2016が、劇場公開の資金を集めるクラウドファンディングを開始した。エログロ、アクション、コメディー、ラブごっちゃまぜのエンターテインメント映画。近大生の北村和希監督(22)と早瀬さんの卒業製作ともいえる作品で、映画監督・八十川勝さんに「今、日本映画史に残るかもしれない傑作の誕生の瞬間に立ち会っている」と言わしめるほどの出来栄えだ。

関西大学のラーメンサークル・めんこいの創設者としても知られる長野県出身の早瀬さん。映画との出会いは日本テレビで放送されていた金曜ロードショーだった。関大進学を機に大阪へ。「映画はまだまだ奥が深い!面白い!と思った瞬間です」と、ジャンルに富んだミニシアターに刺激を受けた当時を振り返る。

新歓でイケメンに乗せられ映画研究部に入部。「自主製作映画」での監督・役者経験は、まさに青春だったという。日本最大の国際学生映画祭・京都国際学生映画祭の運営では、世界中の学生映画を審査し、厳しい道を本気で目指す若い才能を発掘した。映画好きにはぜいたくすぎる活動を経て、今は商業映画のスタッフや、自主製作映画の企画・宣伝をしている。

プロデューサーを務めた本作は「何としてもこのセンスを世に羽ばたかせたい!」と脚本に惚れ込み、思い描くキャスティングを叶えることに一番苦労した。本物の役者さんに勇気を出しての直談判。その甲斐あって、最高のキャストが揃った。【写真・昨年8月にクランクアップ。前列右端が早瀬さん】

笑いに厳しい大阪と、最先端の東京を劇場公開の場所に選んだ。大学生最後の夏すべてを注ぎ、全財産をもつぎ込んだという早瀬さんは「友達から批評家まで、皆で観て皆楽しんで欲しい。若い奴の映画って、ちゃんと面白れぇと思ってもらえれば本望です」と意気込みを語った。

来月大阪・東京で予定している試写会開催や映画祭への応募、劇場公開の費用を100万円を募るクラウドファンディングを3月23日まで実施している。【山本朝子】

【クラウドファンディング】https://motion-gallery.net/projects/mumimushu

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