関西大学商学部が主催するビジネスプランコンペティション・KUBIC(キュービック)の本選会が8日、関西大学千里山キャンパスで行われ、508件の応募があった大学・大学院・一般の部は、明治大情報コミュニケーション学部牛尾奈緒美ゼミの学生による「MISSION 第三の魔の手 “サードハンドスモーク”を分解せよ!」が優勝した。
サードハンドスモークとは三次喫煙と呼ばれ、室内の壁紙や布製品などに付着したタバコの有害物質を吸引する現象。牛尾ゼミの学生らは、繊維メーカーのグンゼが出したテーマ「健康寿命を5歳延伸するをテーマにしたサービス・事業の提案」に応募した。
同社の軟質多層シートや、無光触媒の技術を活用した壁紙フィルム「タバコ防グンゼ」の開発を提案。カラオケボックスの壁紙に採用することで利用者の三次喫煙を防ぎ、健康寿命の延伸と利用者の増加を図るビジネスプランだ。【写真・優勝した明治大情報コミュニケーション学部・牛尾奈緒美ゼミの学生。牛尾教授(前列右から3人目)は、元フジテレビアナウンサー】
4チームで競う最終プレゼン。代表で同学部3回生の花田弥子さん(21)は、審査員の激しいツッコミにもひるまなかった。目標にしていた大会が今年は開催されず、KUBICに応募。グンゼの企業賞も獲得した。「ゼミ生20人全員で東京から来ました。1位を獲とうと頑張ってきたし、教授の指導も受けてきた。きょうも本戦ギリギリまでプレゼンの練習をしていました」と、賞金20万円と記念のメダルを手にした。
関西大学は産学連携の拠点・イノベーション創生センター内のオフィス貸与や、連携協定を結ぶ日本政策金融公庫からの融資などを模索し、KUBIC優勝者のビジネスプラン実現化を目指している。
2006年(平成18)にスタートしたKUBICは、今年で11回目の開催。高校生の部を合わせると、1494件の応募が集まった。委員長で商学部の岩本明憲准教授(39)は「KUBICは、人を育てるためものでもある。起業したい、ビジネスプランを考えたいという学生のひとつのきっかけになれば」と話す。
学生代表の福田真亜子さん(20=商3)は「皆さんのプレゼンが凄すぎて、私も勉強させてもらった。いつかスーパーやコンビニに、KUBIC発の商品が並んだら」と、後輩にバトンを渡した。