関西大学が27日、関大初の女子学生で、1926年(大正15/昭和元)に法学部法律学科の聴講を修了した北村兼子さん(1903-1931)に特別卒業証書を贈った。
【写真】関大初の女子学生・北村兼子さん 100年前なのに抜群のファッションセンス!
千里山キャンパスに兼子さんのおい・北村高(たかし)さん(76)を招き、高橋智幸学長(57)が特別卒業証書を手渡した。
関大は女子学生が占める割合が42%にのぼり、千里山キャンパスは日本一女性学生が多いキャンパスとしても知られる。高橋学長は「これだけ女子の多い大学となった今、思い起こされるのが、約100年前、本学初の女子学生として学ばれた北村兼子さんのことです」と思いをはせた。
「当時は、国の法令により、女子が大学への正規入学がかないませんでした。あくまで聴講生ですから、大学として卒業証書を出すことができなかった。北村兼子さんの卓抜した才能と、まぶしいほどのご活躍を顕彰し、特別卒業証書を贈呈することで、今を生きる学生たちを含めて、多くの人に北村兼子さんのことを知ってもらえればと思います」と、女性初となる特別卒業証書を贈るとした。
特別卒業証書を受け取った北村高さんは、法曹界で道を切り開く女性の姿を描いたNHKの連続テレビ小説「虎に翼」を引き合いに出し「女性の権利、参政権など正当な権利を求めて活動いたしましたが、27歳で自分の背中に翼をつけて兼子は翔んでまいりました。いま、兼子伯母(おば)は、皆さま方の活躍を天空より、胡蝶の姿で舞いながら、楽しく眺めさせていただいていることであろうと思います」としのんだ。
北村兼子さんは、男女の格差を主張し、女性の地位向上や参政権を訴えながら、27歳で早世した。
北村高さんは「婦人の正当な権利を求めて闘ったことをこのように評価していただき、特別卒業証書をいただくということは大変喜んでいることと思います」としながらも「もし男子学生と同様に扱ってもらえるのであれば、生きていれば、もう一度大学に入っていた可能性もある」とジェンダーギャップを訴え、負けん気が強かったという伯母を思い描いていた。
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