関西大学アイススケート部監督だった織田信成さん(35=15年文院修了)が、学生への指導方法などをめぐり、同部コーチだった濱田美栄さん(63)からモラルハラスメント(言葉や態度の嫌がらせ)を受けたとして1100万円の損害賠償を求めていた訴訟の判決で、大阪地裁(松本明敏裁判長)は2日、織田さんの請求を棄却した。
濱田さんは、織田さんがブログや会見などでモラハラがあった主張したことで名誉が傷つけられたとして反訴(訴えた相手を訴え返すこと)し、330万円の慰謝料を求めていた。この日の判決では濱田さんの請求を一部認め、織田さんに220万円の支払いを命じた。
織田さんは監督就任以前の2017年2月ごろから、濱田コーチから無視されたり陰口をたたかれるなどの行為があったと主張していた。同部の部則や練習時間の変更をめぐって意見が対立し、モラハラが激化して精神的苦痛などから監督辞任に追い込まれたとして、慰謝料や、アイスショーなどの公演に出演できなかったことへの損害賠償を求めていた。
一方、濱田さんは「(モラハラが)いつ、どこでどうあったか、具体的な証拠を示して特定するよう求める」などとし、織田さんの主張に真っ向から反論。あたかもモラハラがあったように印象づけられ、名誉を傷つけられ精神的苦痛を負ったと主張していた。
関西大学は2019年12月、同年7月に織田さんから濱田コーチの解任要求があったとした上で「総合的にみて(解任は)妥当ではないと判断」したことを公表し、経緯を説明した。大学のハラスメント規定に基づき、ハラスメントの有無については明らかにしていない。
濱田さんは同日、ゼネラルマネージャーを務める木下スケートアカデミーを通じてコメントを発表。「織田信成氏から大阪地方裁判所に提起されていた訴訟について、本日判決言渡しがありました。こちらの主張を裁判所に認めていただいてよかったと思っております」などとした。
【関連記事】