幼稚園児をとりこにして放さない「関大スコップ」が爆誕した。関西大学商学部の中嶌道靖ゼミの学生が、大阪府八尾市の精密部品メーカー・サンライト化成との協働で「園児が喜ぶ砂場スコップ」の製作プロジェクトに取り組んでいる。
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千里山キャンパス内にある関西大学幼稚園で11月2日、年長組の園児約60人が試作品の関大スコップを手に、いも掘りを行った。夢中で土を掘る子どもたちの表情や手の動きを中嶌ゼミの学生がチェック。データサイエンスを学ぶ各学部の学生たちも、園児が選ぶスコップの色などのデータを集めていた。
関大スコップの製作プロジェクトは2020年、ゼミ生の「樹脂製スコップの先端が土に入るたびに摩耗し、プラスチックの微粉が混じると決して安全な砂場とは言えない」との指摘から始まったという。園児の手の大きさや、使い勝手の聞き取り調査を実施。データサイエンスの手法を駆使して、砂にさした際の感触までにこだわった関大スコップの試作品が出来上がった。

サンライト化成の久目勝浩社長(57)は、関大スコップの土を掘る先端部について「生分解性プラスチックといって、土にかえる卵の殻を使ったものです」と説明。スコップとしての強度を保ちながら、環境に配慮した素材を使用している。
園児たちは関大スコップに飽きることなく、夢中で土を掘り続けた。中嶌道靖教授(58)は「商学部とデータサイエンスの文理融合で、学生からいろんなアイデアが出てくる。園児たちの砂場遊びが楽しくなったら。まずは、これだけ遊んでくれた」と試作品に手応えを感じていた。
中嶌ゼミの小瀬琢朗さん(商3)は、実際に園児が遊ぶところを見るのが初めてだったといい「こんなに楽しく使ってくれるとは思っていなかった。モチベーションが上がった」と、関大スコップのさらなる改良を誓っていた。
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