関西大学が6月30日、千里山キャンパスで会見を開き、学生·教職員への接種のために保管していた新型コロナウイルスのモデルナ製ワクチン2510回分を、保管していた医療用冷蔵庫の不具合のため廃棄したと発表。芝井敬司理事長(65)らが謝罪した。
前田裕学長(65)は、梅田キャンパスで取材団に「かなりの数の不具合が発生し、ワクチンを廃棄することになってしまいおわびしたい。学生·教職員に予定している職域接種に影響はない」と説明した。
大学の説明によると、千里山キャンパス内の第一診療所内に設置されていた日本フリーザー社製の医療用冷蔵庫が初期不良を起こし、6月26日午後8時30分から27日午前8時40分までの12時間10分間、ワクチンの上限保存温度の8℃を0.1~1.4℃上回っていたという。
モデルナ製ワクチンの日本での流通を担当する武田薬品工業に、大学がワクチンの使用可否について問い合わせたところ「8℃~25℃で12時間保存可能な状態を逸脱している。状態を踏まえると製品の有効性は保証できない。使用可否についてはお答えできない」などとの回答があった。
日本フリーザー社は「危機のトラブルはありましたが、冷蔵庫の管理温度に関しては守られていたと判断します」と回答したが、関西大学保健管理センター所長(医師)が「学生たちの健康と命を守る立場から、当該ワクチンを接種することはできない」と判断し、廃棄を決めたという。
関西大学では、医療用冷蔵庫を製造した日本フリーザー社に再発防止を徹底するよう申し入れた。冷蔵庫内の温度が8℃を超えた場合、24時間常駐の中央監視室に通報する仕組みを構築するとした。
6月21日にスタートした関西大学のワクチン接種では、すでに関大生と教職員720人が接種した。学生・教職員3万5000人を対象にした希望調査では約1万9500人から回答があり、1万7650人が接種を希望。「希望しない」と答えた人も1700人いるという。
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