アイスダンスのリズムダンスで演技する村元哉中さん(左)、高橋大輔さん=2020年11月28日、東和薬品ラクタブドーム(代表撮影)

「フィギュアスケートGPシリーズ最終戦・NHK杯」(27日、大阪府門真市東和薬品ラクタブドーム)

アイスダンスのリズムダンスが行われ、今季フィギュア男子から転向した関西大学KFSCの高橋大輔さん(34=08年文卒)が、同クラブの村元哉中さん(かな、27=16年人間健康卒)とのカップルで出場。64.15点で、3組がエントリーする同競技で2位発進した。男子SPに出場した木科雄登さん(19=社会安全1)は74.44点で5位、三宅星南さん(18=総合情報1)は74.34点で6位。日本スケート連盟はこの日、出場予定だった須本光希さん(19=政策創造2)が胃腸炎による体調不良で棄権すると発表した。

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新たな一歩を、笑顔で踏み出した。演技が終わると、高橋さんは安堵(あんど)感からか、村元さんをグッと抱き寄せた。2分50秒間のデビュー戦。前日、この日の公式練習では緊張感も見せていたが、オンライン会見では白い歯をのぞかせた。「本番はすごく落ちついてミスもなく、初めてにしては上出来だったんじゃないか…と思いたいです」と、大舞台を楽しむ余裕さえ見せていた。

演技直前は「落ち着いて、楽しもう!」と声を掛け合った。アイスダンスでは経験豊富な村元さんが、高橋さんの緊張をほぐした。氷上に、鮮やかに映える黄色いパンツ。白いシャツとネクタイ。コメディー映画「マスク」の主演、ジム・キャリーをモチーフにした衣装で新境地を見せた。

コミカルな動きで映画の世界を表現すると、ツイズル(2人同時の多回転ターン)、女性を持ち上げるリフトもばっちり決まった。「デビュー戦にしては満足のいく演技で、最初から最後まで滑れました」と、村元さんは高橋さんを見つめ、大きくうなずいた。

シングルとは何から何まで違う。今年1月にカップルを結成した村元さんも、ブランクが空いてた。34歳の戦いは並大抵ではないが、悲壮感は見せない。ずっと笑みを絶やさず、会場でもとにかく明るい。精神面でお互いにフォローし合える心強さが、2人にはある。

64・15点で2位発進。コロナ禍で大声援がご法度の会場で、応援バナーが大きく波打った。大きなミスはなかったが、高橋さんは「取りこぼしをしてしまったことで、アイスダンスの難しさも痛感した。初戦のスタートを切れたことでひと安心したのと同じくらい、これからに向けてのやる気も感じている」と、あくなき向上心を見せた。

28日のフリーダンスは、クラシックバレエの「ラ・バヤデール」を披露する。村元さんが「得点は気にせず、リズムダンスとはがらりと変わって、素敵に踊れたら」と肩の力を抜くと、高橋さんも「いろんなことを考えすぎずに、練習してきたことを信じて今までの成果を発揮したい」と気負いがない。22年北京五輪出場という目標への道のりは険しいが、2人は笑いながら手を取り合った。

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