閉店した和風居酒屋「すっぽん」

関大前の「和風居酒屋すっぽん」が、8月30日の営業を最後に閉店したことが分かった。すっぽんは1960年代後半に開店し、50年以上の歴史を持つ老舗。300人を超える収容人数を誇る古き良き大バコ居酒屋で、クラブ・サークルやゼミの飲み会などでひんぱんに利用された。

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新型コロナウイルス感染拡大の影響で、関西大学の春学期授業がオンラインに。学生や教職員の利用が激減していたほか、高額の賃料がネックになっていた。店頭には「これまでのご愛顧に温かいご支援や応援を数々賜りまして本当にありがとうございました」と記されたお知らせが貼られていた。

関大生や教授にこよなく愛され、関西大学出身のシンガー・ソングライター小南泰葉さん(36)がバイトしていたことでも知られる。古民家風の居酒屋は、1階が教職員や地域住民が集う和風居酒屋。2階は主に学生の宴会用にあてがわれた広間で、奇跡的な棲み分けができていた。

2階でバカ学生が、飲み会でどれだけ大暴れしても吐いても障子をぶち破っても、許してくれる雰囲気があった。2階にマウンテンバイクを持ち込んだ関西大学の某団体が、またがりながらダウンヒルのように店内の階段を降りたことは最凶伝説のひとつ。あらゆる店舗から出禁になっていたその団体を、受け入れる懐の深さもあった。

最近では、周囲の店舗や常連客の協賛を受け「0円弁当」を実施。コロナ禍でバイトが無くなった関大生らに、数量限定ながら無料で弁当を配布していた。常連客で近くに住む漫才コンビオール阪神・巨人のオール巨人さん(68)も賛同し、0円弁当に協賛していた。

巨人さんは自身のツイッターで、8月30日の最終営業日に店を訪れたことを明かし「残念です。関大前の居酒屋すっぽんさんが昨日でお店を閉められました!」「しかし寂しいなぁ~、コロナが憎い」とつづった。同店は9月20日に0円弁当100食を配り、50年を超える歴史に幕を閉じるという。

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