関西大学は4日、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、19日の卒業式と21日の大学院学位記授与式開催を取りやめることを決めた。他大学が早々と中止を発表する中、ギリギリまで式典開催を目指してきたが、約2週間前に苦渋の決断を下した。
大学関係者によると、1948年(昭和23)の新制大学転換後、関西大学で卒業式が行われないのは初めて。芝井敬司学長(64)は4日、公式ウェブサイトなどで「卒業・修了する学生のみなさんをはじめ、学生生活を支えてこられたご家族のみなさん、そして送り出す在学生や教職員すべての思いが詰まった式典を取りやめることは、教育に携わるものとして胸が張り裂ける思いです」と呼びかけた。
卒業証書や学位記の授与は、19日(大学院は21日)に時間や場所を分散して、学部やゼミ・研究科ごとに分かれて行われる。総合情報、社会安全、人間健康学部は、それぞれのキャンパスで授与される。詳細については、10日に改めて告知するという。
関大の卒業式は例年、卒業生や父母・保護者ら約1万3千人が出席。在校生がクラブ・サークルの先輩を送る風景が風物詩となっている。新型コロナウイルス感染リスク低減のため、大学は19、21日の両日、卒業生以外のキャンパス入構自粛を求めた。
関西大学広報課によると、大学が校友会や教育後援会と協議し、卒業式に代わる催しの年内開催を検討するという。
今年卒業する関大生が、関西大学に入学した2016年4月1日。午前11時39分ごろに三重県南東沖を震源とするマグニチュード6・1の地震が発生し、震度3を記録した千里山キャンパスは大きく揺れた。ハプニングで始まった4年間は、初の卒業式中止というまさか、まさか…のラストになった。
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