山口高志さんの教えと闘魂注入で関大野球部が47年ぶり快挙へ!

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タイブレークに突入した延長10回表、バットを短く持って決勝の左越え二塁打を放った坂之上晴人内野手=神宮球場

「明治神宮野球大会・大学の部準決勝、関大8―7東海大」(19日、神宮球場)

関西5連盟第1代表の関西大学が、タイブレークに突入した延長十回、坂之下晴人内野手(19=人間健康2)の走者一掃となる左越え2点二塁打を放った。1点差に迫られながらも、最後は森翔平投手(21=商4)が2死満塁のピンチをしのいだ。関大は、野球部のアドバイザリースタッフ・山口高志さん(69=73年社会卒)の活躍で優勝した1972年(昭和47)の第3回大会以来の決勝進出。20日午後1時から、優勝をかけて慶大(東京6大学代表)と対戦する。

【写真】関大野球部100周年記念イベントに出席する山口高志さん 隣には…

プロ野球・阪急(現オリックス)の元投手で、阪神投手コーチも務めた山口高志さんの教えと、闘魂注入で47年ぶりの優勝へあと1勝と迫った。決勝打を放ったた坂之下内野手は今春のリーグ戦直前、山口さんから「練習からバットを短く持って打たないと」と助言された。「指6本分くらい」バットを短く持つことで、最後までボールが見られるという。スイングもよりコンパクトに。レジェンドのアドバイスは、木製バットへの対応に苦しんでいた大阪桐蔭高のV戦士を大学でも開眼させた。

5番手として最後を締め、マウンドで雄叫びを上げた森投手は18日の準々決勝・金沢学院大戦に続く連投だった。18日の登板前、緊張しまくる森投手に山口さんは〝闘魂ビンタ〟で緊張をほぐした。ほおをパチンと叩かれ、13三振の力投。この日もスクランブル発進し「決勝は総力戦になると思う。3連投行くつもりでいる。山口さんにまたカツを入れてもらいます」と笑った。

スタンドも沸いた。関西大学応援団は、100人規模で17日の夜にバスで大阪を出発。大学野球の聖地で、連日声をからした。第97代団長の上杉翼さん(22=法4)は、応援団長として最後となるはずの大舞台があと1日延びた。上杉さんも、卒業後は社会人野球に進む森投手も、神宮の大舞台で青春のアンコールが続く。

伝統ある神宮球場の応援台に立ち、声援を送る関西大学応援団の上杉翼団長

応援台に立った上杉さんは「集大成を見せたい。引退しているようなものなので、応援団の後輩にはありがた迷惑かもしれませんが…」。森投手も「最後は優勝して終わりたい」と有終の美を飾る。

平日午後の試合にもかかわらず、多くの卒業生がスタンドに。応援でも東海大を圧倒した。都内の会社に勤務する深田晋平さん(26=16年法卒)は18、19日と休暇をとって母校を応援した。「優勝の瞬間を見たいんですが…さすがに20日は休めません」とうれしい悲鳴。さまざまな関大人の情熱が、ほぼ半世紀ぶりの快挙へと導く。

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