高橋大輔さん

「フィギュアスケート・全日本選手権」(24日・大阪府門真市東和薬品ラクタブドーム)

男子フリーが行われ、関西大学KFSCの高橋大輔さん(32=08年文卒)は151.10点、合計239.62点で2位。2012年大会以来6年ぶりの表彰台に上がった。日本スケート連盟から、来年3月の世界選手権代表入りを打診されたが辞退。大会後の会見で「世界と戦う覚悟を持ち切れなかった」と理由を説明し、来季以降については現役続行を宣言した。ブームスポーツでは、世界選手権出場を辞退した理由を語った会見での一問一答を掲載する。

     

-どういう心境かお聞かせください

「僕自身、すごく迷ったところではあるんですけど、まずミニマムポイントを取りに行ければ選出していただけたということだったんですけども。やはり気持ちとしてはもし選ばれるのであれば、行きたい気持ちはやまやま…な部分はあるんですけど、やっぱり世界と戦う覚悟っていうものが、やはり持ち切れなかったというところもすごく大きな理由で。今シーズン現役復帰するって自分の中で決めたところもすごく遅かったですし、練習をし始めたのもすごくギリギリなところで、もう本当にこの全日本でどこまでいけるか、っていったところが全く想像できない中での戦い。世界選手権ってところも頭の中に…まあ現役復帰のスタートした時にはなかったってとこともありますし、やっぱり今まで僕自身もトップと戦ってきて世界で戦うっていう…その難しさだったり精神力の必要とされるところであったりとか本当に、僕も世界と戦ってきて、経験している部分でその覚悟を持てないのに、選ばれたからといって出るべきではないなっていうところと、やっぱりその…僕もいろいろ世界と戦ってきて、本当に他の国の方たちと、試合でこう、一緒の空気の中で過ごすことによって、やっぱり成長できる部分、経験できることってたくさんあると思うので、そういった中で僕自身も32でこの先、希望があるかっていうと、やっぱり正直、ないと思います。ないと思うので、それだったら若手…若手というか、いま日本を引っ張っている選手たちが世界選手権という一番プレッシャーのかかる大きな大会で経験をたくさん積むことによって、今後若手の選手もそうですし、この日本のスケートっていうものがどんどん盛り上がっていくためには、若い選手が舞台を経験することの必要性の方がやっぱり大きいなという風に感じましたので、今回、辞退させていただきました」

-来年以降、世界選手権にチャレンジしたいっていう思いはありますか?

「そうっすね~(笑)。いやぁ~すごいきわどいところであると思うんですけど、今回の世界選手権さいたまであるじゃないですか。本当だったら4年前…5年前?さいたまの世界選手権に出られなくて、やっぱり出たかったんですけど、これが今年じゃなく、2年前に、現役復帰を決断してたらもしかしたら出られたかもしれないし、覚悟をもって挑んだかもしれないし。きょうのフリーみたいな演技では絶対に世界では戦えないしショートでも4回転入れてないんで、勝てるっていうことはないんですけど。その2年前に決めてたらもしかしたら狙ったかも…っというところでは、もし来年続けるってなった時には狙うかもしれないんですけど、まあその時にね。もうたぶん(島田)高志郎もそうですし、ジュニアの方でもどんどん成長してくると思いますし、普通に世界選手権狙える位置にいないと思うんですけど、それくらい来年、もしかして現役続けてたら…その気持ちだけは世界を目指して、狙うかもしれないです。でもわからないです」

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-若手に道を譲るってことなんですけど、若手が勝ち取れなかった道を譲るというのは優しさというか、あえてそこで代表になってもよかったんじゃないかと思いますが

「う~ん…(長く考えて)いやぁ…やっぱりでも僕の、その覚悟、世界と戦うっていうプレッシャーに打ち勝てるほど、いま自分にそこまでの自信がないっていうところもやっぱり大きな部分…っていうのもあるし、世界選手権でしか経験できないって経験っていうのはやっぱりあると思うんですよね。この全日本でしか経験できない空気感。っていうのをやっぱり…僕もフィギュアスケート好きで、今は素直に言えますけど、本当にどんどん続いて、成長していってもらいたいっていう気持ちも、自分が頑張って勝ち取りたい気持ちと同じくらい…どんどんいろんな人が…後輩たちが成長して、羽生くんを抜かしていく(宇野)昌磨を抜かしていく…これから先どんどん出てきて抜かしてって、どんどんレベルアップしてもらいたいって気持ちはあるので…同じくらい。自分が活躍したいって同じくらいあるので、そういったところで…両方ですかね。ただやっぱり一番冷静に考えて、判断して、僕じゃないだろうって…。希望がある選手たちが、いろんな経験をすることが、一番大事だろうって思います」

-世界選手権に出なくても、チャレンジシリーズとか海外のB級大会に出る気持ちは

「とりあえず今はもう何も考えてなくて、来シーズンをどうしようかってところをまず考えようと思っているので、今シーズン試合に出るっていうことはもうないと思います」

-(司会)本人の気持ちが伝わったと思いますので、この辺で…(会見場に笑い)

「ありがとうございました!」(場内拍手)

-(記者に囲まれ)今後については

「引退しないことは決めている。僕だけの判断ではできないが、できるなら続けていきたい。選手登録を抹消するつもりはないし、休養もありません。まだやめるつもりはない。きょうの演技がすごく悔しくて、すっきり終わりたい。もう少しできるはずという気持ちが出てきた」

宇野昌磨さん、田中刑事さんとメダリスト会見に臨んだ高橋大輔さん=24日、東和薬品ラクタブドーム(撮影・行友重治)

 

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