「フィギュアスケート・西日本選手権、男子フリー」(4日、名古屋市日本ガイシアリーナ)
関西大学KFSCから出場した高橋大輔さん(32=08年文卒)は161.11点、合計244.67点で、現役復帰後初の優勝を決めた。近畿選手権のフリー118.54点、合計195.82点より大幅に点数を上乗せ。目標に掲げていた12月の全日本選手権(大阪・東和薬品ラクタブドーム)への出場もつかんだ。4回転ジャンプを「1本くらい挑戦したい」と、年末の大舞台へ向けても意欲。終始笑顔だった会見での一問一答を掲載する。【村岡すみれ】
◇ ◇
-いまのお気持ちを聞かせてください
「そうですね。まず大きなミスなく終われたことはよかったなと思うんですけど、全体的にスピンであったりとかステップであったりとか、質が良くなかったと思うので、そういった部分は課題だったなと思います。あとまあアクセルが2本、プログラムに入れられたことは自分にとって自信になったので、それはよかったかなと思います」
-4回転というのはいかがでしょうか
「まあこれから練習してって、入れられそうだったらというところで、どんどん4回転に行くまでの練習がなかなかできてなかったので、全日本選手権でできるかどうかっていうのは自分自身でもわからないですけど、気持ちとしては1本くらいは挑戦したいなっていう気持ちはあるので、まあこれから体調を見つつ、あまり無理をしてしまうとすぐケガをしてしまうので、体調見つつ考えながらやっていきたいなと思っています」
-SPは1番、フリーは最終滑走だった
「(笑いながら)今後ないと思うんですけどねぇ…」
-全日本の最終滑走のような緊張感があった
「いやあ、本当に会場も広くてたくさんのお客さんが入ってくれた中で、試合をするというのは緊張感が高かったので、そういった中で試合をすることでこういう機会に慣れることができたので、今回の経験は良かったなと思いますし、僕自身の目標が全日本選手権の最終グループで試合をするっていうのが目標に今シーズンスタートしているので、まあ…最終滑走になる可能性がなきにしもあらずなので(笑)、まあないと思いますけど、そういった意味でも最終滑走で滑ることができたのはいい経験だったと思いますし、近畿ブロックでは応援に自分自身の演技で返すことができなかったんですけど、今回は少しでも、恩返しできたかなと。恩返しと言うか、応援に対して、声援に対して、自分の演技で返すことができたかなと思います」
-長光コーチは後半の体力が今後の課題とおっしゃっていた
「そうですね。後半の部分でやっぱりちょっと足にきてしまったというところがあったので、そこらへんでも筋持久力を上げていく練習の方法だったりをしていかなきゃいけないなと思うんですけど…今回スタートの方で最初のフリップで上がりすぎて詰まったりとか、スピン入る前に足がひっかかちゃって思うようにスピードつけられなくてちょっと踏ん張ってしまった部分があったりとか、そういったところで足にきたという要因になっている部分もあったので、そういったところも踏まえて、何があっても今後バテないようにしていかなければいけないなと思いました」
-演技を終わられて右のももをたたいて何かしゃべっていた?
「…全然覚えてないですけど、なんか〝きつい〟といった覚えがあります。足にめちゃくちゃきていたので…たぶんそのような言葉を発していたような気がします」
-よくもってくれた、という意味合いですか?
「いや〝きつかった~〟みたいな感じです。すぐ、こう、疲れたら揉みグセがあるので、たぶんそれでバ~ッとやったんだと思います」
-全日本に向けてひとことお願いします
「全日本になってくるとやっぱり羽生選手、宇野選手、田中選手…ほかにもたくさん実力者がいると思うので、その中で戦っていかなきゃいけないということは、今回の演技では上には行けないと思いますので、少しでも上げれる部分は上げていって、目標である最終グループでフリーでは滑ることで、その先にメダルっていうところが見えるのであれば、そういったところも目標として、獲れるか獲れないかというところはわからないですけど、目標をもって挑んでいきたいなという気持ちではいます」
-2戦を終えて、かつては負けず嫌いだった高橋さんが、試合をしている自分ってどう感じますか?
「そうですね…負けず嫌いっていうところでは、前みたいな感じじゃないと思いますけど…ひとつひとつ近畿から今回の試合、自分自身では成長できたなってところを実感しつつ、試合ができているので、そういった部分に喜びを感じつつ、それを感じつつも次の目標であったりとかこれがもうちょっとできるんじゃないか、あれができるんじゃないかっていう意欲がどんどん湧いて来てて、すごく自分にとっても、こんな感じになれるんだなってところを改めて感じながら、過ごすことができているので、なんかその、負けず嫌いというよりかは、自分の成長がどこまでできるんだろうというところをなんかこう、自分自身で挑戦じゃないですけど、そこに希望をもっていられる自分がすごくいいなと思いながら、滑ってます」
-ブノワ(リショー)さんが近畿選手権を見に来たと思うんですけど、手直しされたところとかは…
「手直しは、ステップシークエンスのところをなんか後半はほかに変えたりとか、前半の部分がやりにくかった部分があるので、前半の振り付けだったりを変えてるとか…ですかね。後半も少し…いや、けっこう変えましたね。試合を見てて、フリップが…ステップを、コレオシークエンス?コレオステップ?ちょっと名前わからないですけど、これはきついねってことで、その前に組み込んでくれたので、気持ちとしては楽になりました」
-髙橋さんに対する言葉というのは?
「その前にも自分の中でもいろいろ、うまくいかないところがあった、ということも彼は知っていたので、そういったところは。今回の試合(近畿選手権)は参考にならないけど、今まで練習してきて、やりにくい部分があったんじゃないか、っていうのはプログラム見てて感じたみたいで、(自分が)こうしてほしいというところと、彼が思ってたところは一緒だったので。やりにくさというところを見ていたのかなと思います」
-復帰を決めてから自分なりの、心とか体とかが予想以上にきてるなというのか、それとも別の感情が来ているのか?
「予想以上に…全然できていないです(笑)。もうちょっと思ったより自分の中では楽に戻せるかなと思ったんですけど、全然楽じゃなくて、気持ちは本当にメンタルの部分では…高いところって言ったらおかしいんですけど、いい状態で過ごせてるんで、それに体がついて来ないっていうことで、もうちょっと4回転1本くらい跳べてるつもりだったんですけど、まったくそんなところまで行ってなかったりとか、けっこうやっぱりギリ追い込んだりするとケガをしたりとか、やっぱりこの4年のブランクってところで蓄積とか積み上げがないってのはこれだけ影響するんだなってことは感じています。予想通りには行ってないというか、体が思った通りについて来ないな、ということは感じてます」
-どんな毎日を送っていますか?
「毎日充実してる、っていう一言かなと思います。思い通りにはいかないですし、けっこう大変なこともあるんですけど、そんな中でもこれを少しでも何か思い通りにならないことがクリアできたら、自分自身頑張れたなと思いますし、こういう感じになるんだということが経験できてるなっていうので…。これから、32歳になってスタートしたいっていう子には…そういった子には、アドバイスできますし…(笑)。何かアドバイスを欲してもらった時に、僕自身がいま経験していることっていうのは、あんまり経験している人がいないと思うので、いいアドバイスができるんじゃないかということでも、こんないろいろうまくいかないこととかも楽しみつつできているので、すごく充実しているなと思います」
-これだけやっていて、世界っていうのは見えてくるというか…
「まったく世界は……見えていないです、すみません(笑)。まったく世界では通用しないと今の段階では思っているんで。本当はね、通用するくらいになってたらいいと思ってはスタートしたんですけど、なるんじゃないかなって部分も少しはあったんですけど、やっぱり現実は甘くないですね。まあまあとりあえず、4回転跳べてからかなあというそういったところで。ジャンプだけじゃなくてスピンも世界っていうか日本でも…トップに入れないくらいなので、そういった他の部分をレベルアップするほうが大事だと思っています」
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