芝井敬司学長

文部科学省とスポーツ庁が7月、2020年の東京五輪・パラリンピックの学生ボランティア確保のため、大会期間中(7月24日〜9月6日)に授業をしないよう全国の大学に暗に求めたことに対し、関西大学の芝井敬司学長(62)はブームスポーツの取材に、私見とした上で「そのために便宜を図る理由はない」と話し、東京五輪期間中に通常通り春学期試験を行うことを示唆した。

関西大学では例年、春学期16週目にあたる7月24日から31日まで春学期試験を実施。2020年の東京五輪期間中(7月24日〜8月9日)と重なる。国は全国の大学に出した通知で、学生の大会ボランティア活動に支障がないよう協力を求めた。

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東京の主要大学の中には2020年の学年暦を変更し、五輪期間中に授業をしないことを決めた大学もある。関西大学では同年の授業日程を決めていないが、芝井学長は「地元(東京)の大学ならまだしも…大阪の大学としては通常通り。(五輪)ボランティアは授業をやめてまでのものではない」と言い切った。

五輪ボランティア参加を単位として認定する大学も出てきている。芝井学長は「学生が本当にボランティアに行こうという決断をしたなら、リスクをちゃんと飲み込んだ上で行ってほしい」と、単位認定に否定的な見解を示した。

東京五輪・パラ五輪のボランティアは大会組織委員会と東京都の募集分を合わせて11万人。ハナから時間に余裕がある大学生頼みとする向きもある。タダ働き、宿泊費自己負担や交通費1000円上限といったブラック条件に批判も多く「やりがい詐欺」「学徒出陣」と揶揄する声も大きい。

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