12日に竣工した関西大学千里山キャンパスの東体育館

関西大学千里山キャンパスに建設されていた新しい東体育館が12日、完成した。1963年(昭和38)に竣工した旧東体育館を55年ぶりにリニューアル。新しいアリーナやフィットネススタジオ、AT(アスレチックトレーニング)ルームのほか、約1300冊のスポーツ専門図書コーナーや災害用備蓄倉庫も備えた。関大出身の五輪出場選手を称えたコーナーもあり、体育の授業や関大生のクラブ活動など利用される。

夏は暑く、冬は寒く、薄暗かった東体育館が生まれ変わった。総工費25億円をかけた新しい体育館は窓も多く、とにかく明るい。この日はオープニングイベントとしてバスケットボールBリーグ・エヴェッサ大阪と関西大学バスケットボール部のエキシビションマッチが行われ、約1100人が詰めかけた。

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新しい東体育館のアリーナ全景

関大バスケ部出身で、大阪エヴェッサのプロ選手として母校に凱旋した藤髙宗一郎さん(26=14年人間健康卒)は「生まれ変わった東体育館に感動した。(以前と)比べたらダメですよ…。こんな環境で練習できる後輩たちが本当にうらやましい」と笑う。昔はバスケットボールのコートが隣同士。しかもサイドラインが共通だった。ぶつかる選手が続出したため、練習用とアップ用に分けられていたという。

藤髙さんがうらやむ真新しいアリーナには、3つのバスケコートとバレーボール用コート。約200席の常設観客席もある。フィットネススタジオには壁一面の鏡があり、ダンスなどの練習に最適。器械体操練習場や、東体育館を拠点とするクラブ用に19の部室が用意された。

東体育館に新設されたフィットネススタジオ
器械体操室
1階には関大生五輪出場選手のパネルが

1階入口には、関大生なら誰でも利用できるスポーツライブラリーも。高橋大輔さんや織田信成さん、町田樹さんなど五輪出場選手のパネルも展示され、平昌五輪フィギュア女子で4位に入賞した宮原知子さん(19=文2)もさっそく仲間入り。故・大島鎌吉さん(1934年法卒)が、1932年のロス五輪陸上男子三段跳で銅メダルを獲った15メートル12センチを体感できるゾーンもあり、偉大な先輩たちの足跡が刻まれた。

千里山キャンパスを地域の防災拠点とするレジリエンスキャンパス構想の一環として、同体育館には救援物資などを備蓄する倉庫や、災害時に電源を確保するシステムを導入している。芝井敬司学長(62)は「この体育館は大学のために存在しているとともに、地域の方のためにも光輝く場所でありたい。地域の方々と一緒にこの体育館を通じて、スポーツ活動を通じて結びついていきたい」。関大の公認団体や地域住民にも広く開放される。

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