大阪エヴェッサとのエキシビションマッチでプレーする関西大学バスケットボール部の森田雄次さん(撮影・白井康平)

関西大学千里山キャンパスに完成した千里山東体育館で12日、オープニングイベントとしてバスケットボールBリーグ・大阪エヴェッサと関西大学バスケットボール部のエキシビションマッチが行われ、1100人の観客が声援を送った。エヴェッサのスモールフォワードで、関大バスケ部出身の藤髙宗一郎さん(26=14年人間健康卒)が母校に凱旋。プロ入りを目指す同部主将の森田雄次さん(21=人間健康3)らと熱い試合を繰り広げた。

思い出が残る体育館に、藤髙さんがプロ選手として足を踏み入れた。「まさか母校に帰ってくるとは思わなかった。新しい東体育館での第1戦を、大阪エヴェッサの選手としてプレーできて光栄。本気でぶつかり合えた」と、夢舞台を振り返った。前後半10分ずつの特別ルールは、50-31で古巣を圧倒。一流選手の超美技に、東体育館が大歓声に包まれた。

2010年に開学した人間健康学部の第1期生。堺キャンパスで授業を受け、千里山キャンパスの東体育館で練習した。1963年(昭和38)に竣工した旧東体育館は、当時築50年以上が経過。バスケットゴールのボードはボロボロになった木製で、サイドラインが共通の隣り合わせになったコートが2面あっただけだった。「新しい体育館と比べたらダメですよ。ぶつかったり、寒いし、暑いし。しんどかったことが学生生活の思い出です」と笑うが、関大での厳しい練習がプロ選手としての礎となっている。

ふだんのBリーグ公式戦よりも“見られている感”が強くて緊張したという。熱すぎる視線を浴びたせいだけではない。関大バスケ部主将の森田さんはプロ志望。そんな後輩たちの思いもひしひしと感じていた。「僕がお手本になるかどうかわからないけれど、学生生活でもなんでも一瞬頑張るところで頑張れるかが勝敗を分ける。それが全部だと思います」とメッセージを送った。

3ポイントシュートを連発し、新しいコートの上で躍動した森田さんはうれしさを爆発させた。「あこがれの先輩だった藤高選手が戻ってきてくれるとは…。手を抜かずにプレーしてくれたし、もっと挑戦しようという気持ちになった。僕もプロになれれば」と先輩から魂を受け止める。わずか20分間のエキシビションに、さまざまな思いが交錯した。【白井康平】

母校に凱旋した大阪エヴェッサの藤髙宗一郎選手

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