全日本学生落語選手権で決勝に進出した関大亭丼屯さん(後列左から3人目)=2月18日、長良川国際会議場

大学生が落語の腕を競う第15回全日本学生落語選手権が2月17、18日の2日間、岐阜市で行われ、最高賞の策伝大賞を決める決勝大会に関西大学の落語研究会・落語大学の関大亭丼屯さん(かんだいてい・どんどん、本名・酢田理志、22=化学生命工4)が2年連続で進出した。

岐阜市ゆかりの落語の祖・安楽庵策伝(あんらくあん・さくでん)にちなんだ策伝大賞を目指して、DVD審査を通過した全国51大学の244人が参加した。丼屯さんは、創作落語「伊達山(だてやま)さん」を披露。大賞こそ逃したが、審査員を務めた落語大学の創設者で関西大学客員教授の桂文枝さん(74)、立川志の輔さん(64)もニヤリ。会場の長良川国際会議場につめかけた1400人を笑わせた。

2月に落語大学の引退公演を終えたが、留年を決めて大舞台に臨んだ。志の輔さんは「どうやって創ったの?よかったよ」と、創作落語の完成度に“ガッテン”。細江茂光前岐阜市長(69)からも「去年よりうまくなった」と褒められた。

体重も110キロ近くまで増量し、話芸にも迫力が増した。「そんなに自信はなかったが、予選でウケたので“あるかもしれない”と思った」と高座を振り返る。巨体、留年…と創作落語のネタはまだまだたくさんあるが、落語大学での4年間で落語はやり切った。芸人になるため、関大卒業後はNSC(吉本総合芸能学院)入りを目指す。

上方落語協会が主催する2017年の上方落語台本大賞の佳作に、同じ落語大学に所属する藤丸紘生さん(ひろき、21=化学生命工3)の「水に流して」が選ばれた。同作品は3月1日、大阪市の天満天神繁昌亭で開かれる「上方落語台本大賞 入選作発表落語会」で、桂かい枝さん(48)が口演する。

藤丸さんは、落語会を控えた落語大学の部員から「創作落語が書けないので、代わりに考えてくれ」と頼まれ「水に流して」を創ったが、お蔵入りになったという。「日の目を見ないので、台本大賞に応募したら佳作に。水に流れずにすみました」とオチをつけた。

新作落語の台本を公募で選ぶ上方落語台本大賞は2015年にいったん終了したが、岩井コスモ証券の寄付を受け復活した。桂文枝さん肝入りの賞だけに、藤丸さんのLINEへ直々に激励メッセージが来たという。「受賞でチヤホヤされていたのですが、丼屯さんが決勝に行ったのでチヤホヤされなくなりました。賞金3万円も飲み会に消えます。また書かなあきません」。先輩の快挙に、新たな創作意欲が湧く。

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