【芝井啓司学長のあいさつ】文学部2年生の宮原知子さんが、平昌五輪に出場することになりまして、大変光栄であって、また誇りに思っております。ぜひ、日頃の練習の成果を存分発揮していただきまして、私たちに朗報を届けていただきたい。先日彼女にへの応援の言葉を、日の丸に書かせてもらったんですけど“心で踊れ”という風に書きました。 期待しています。

2つほど申し上げたいんですが、彼女1年間ほど、ケガで実際の試合に出ることができなかった。それどころか、存分に練習できることも叶わない日々が続いていたんですけれども、乗り越えて今回出場してくれることを心からうれしく思っています。 ケガをすることで、なかなか思わしい形で…思いは強いんですけど、結果を伴うことができないことが人生多いんですけど、それを乗り越えて平昌に行ってくれることを大変貴重なことだと思っていますし、ぜひ力を発揮してほしいなあと思っています。

もう一つですけれど、全日本の時に彼女はほとんどパーフェクトの形で演技をしたと。その時テレビの画面では、濱田コーチが大写しになりまして、天を仰ぐようにしながら手で顔を抑えて泣いておられたのがすごく印象的でした。宮原さんにお願いなんですけど、ぜひ 平昌でももう一度、濱田コーチを泣かせてください。

【宮原知子さんの挨拶】 昨年末の全日本選手権が終了して、体をまず休養させるということを重要視して、 年末年始はゆっくりと過ごしました。新年明けてから、また新たな気持ちで少しずつ練習量も増やしながら強度を上げて行って、きょうに至っています。現在はオリンピックを見据えた上で、四大陸選手権に向けて練習に励んでいます。四大陸では試合の感覚をまたつかむということと、今できることをしっかりやるということを柱にして試合に臨みたいと思っています。

五輪では、大舞台でしっかり演技をしたいと思っているのですが、まずその大舞台に立てるということに感謝して、貴重な経験を胸に刻んで自分のベストを尽くしたいと思っています。五輪が終わるとまた世界選手権があり、体調管理が一番大事だと思っている。自分の体調を万全にして、シーズンの最後まで乗り切れるように頑張ります。

【織田信成監督のあいさつ】 宮原知子選手、オリンピック出場おめでとうございます。今は親しみを込めてさっとんとお呼びさせていただくんですけれど、さっとんと印象的なエピソードというと、数年前にさっとんの高校の卒業論文の時に、ぼくに話を聞きたいと言いに来てくれて、聞くと五輪に魔物はいますか?どういうものですか?という質問を受けたことがあります。

正直、ボクに聞くかと思いましたけれど、その時は内心笑ってしまいましたけれど、あの…真面 目に答えまして、魔物もいる。すごく大きな魔物、本当に自分の演技がなかなかできないかもしれない。ただ、同じようにオリンピックの女神、氷の女神もいるよという話をしたと思います。

その五輪の魔物、それがどういったものか、それに備えてしっかり練習して、準備をする。すごく重要なことです。それと同時に、オリンピックの女神に自分が会った時に、どういう演技をしたいか。どういったことを、見てる人、応援してくださる人に伝えたいか。そういったものをイメージしながら時間を過ごせると、きっと五輪でも期待感だったり、ワクワク感がふくらむ、増していくんじゃないかと思います。

あと、今シーズン、さっとんの演技を見ていると、ひと回りもふた回りもすごく成長したなと感じま す。それは、やはり大きな怪我というものを乗り越えて、さっとんの不屈の精神、そして氷に立てる喜び。また、その感謝の気持ちが、強くなったからじゃないかと思います。五輪もまったく一緒です。不屈の精神、そして、その場に立てる喜び、そして感謝の気持ちを持って臨めば、おのずと自分の望む演技ができると思うので。平昌は外マイナス20度みたいなので、寒いので、体を暖かくして頑張ってください。

【濱田美栄コーチのあいさつ】いまこうやって、知子のスピーチを聴いていて、あぁ大人になったとつくづく思いました。以前は“宮原マイク”みたいな感じで、ボリュームを最大限にしないとみなさんに声を聴いていただくことはできなかったんですが、知子が堂々とあいさつ、コメントができるようになって、本当に大人になったなぁと思いました。

もちろん彼女もケガに苦しみましたし、よく最後まで粘っていい演技をしたと思います。ただ、その場に夢の叶わなかった選手たち、あの全日本のバックステージで、私はもちろん知子に切符を取って欲しいと思っていたけど、みんなが震える思いでフリーに臨んだ。あの夢の叶わなかった人のぶんまで、気持ちをしっかり受け止めて、さらに精進して、日本の代表として立派に試合を滑り切ってほしいと思っています。今までいろんなことがありました。でも、他の選手たちもいろんなことがあって、あの場に立ったと思うので、それをすごく強く受け止めて、私も最後まで知子をサポートして、五輪という大舞台に向かいたいと思います。

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