関西大学地域連携センターが制定した「地域で活躍する若い力 奨励賞」のプレゼンテーションと表彰式が昨年12月10日、千里山キャンパスで行われ、最優秀賞に社会安全学部近藤誠司准教授のゼミ生による防災教育活動「校内防災放送プロジェクト〜SKH 真陽(しんよう)子ども放送局」が選ばれた。【写真上・最優秀賞に選ばれた社会安全学部近藤誠司ゼミの藤原匠平さん 写真下・近藤誠司准教授(前列左端)とゼミ生・卒業生のみなさん=2017年12月10日、千里山キャンパス】

同賞は地域との連携活動に参加し、抱える課題の解決に取り組む関大生を表彰する目的で2017年に創設された。地域連携センターによると地域活性化や子どもへの学習支援など、100を超える活動が行われているという。第1回には12団体がエントリー。その成果や成長を、10分間のプレゼンで発表した。

真陽子ども放送局は、神戸市長田区にある神戸市立真陽小学校の校内放送を通じ、児童に防災学習を施す試み。同小学校の放送委員とともに毎週月曜日、給食時に校内で流すドラマやクイズなどの約5分間のプログラムを考えている。2014年10月にスタートし、昨年12月11日で100回目の放送を迎えた。

校内放送を使うことで、新たな設備投資や負担が不要。年間を通じた継続的な啓発活動が期待できる。兵庫県や毎日新聞社などが主催する「ぼうさい甲子園」では、2015年度の教科アイデア賞にも選出。大津波警報が出た際の避難地を繰り返し伝えるなどして、子どもたちの防災意識を高めている。

月1回の放送委員会にゼミ生が出席し、児童とともにアイデアを出した。当面の課題は、内容のマンネリ化を防ぐこと。代表の藤原匠平さん(21=社会安全3)は「最優秀賞を獲れてすごくうれしい。4年間で積み重ねたことをプレゼンで発表することができた。小学生は1年から6年まで幅がある。どのような演出を考えるか悩んだが、児童をYouTuberに見立てて防災知識を話すシリーズが反応が大きく、おもしろかった」と苦労を振り返った。

12団体のプレゼンを見届けた芝井啓司学長(61)は「みなさんの志に、触れさせてもらって勇気づけられた。うまくいかなかったことも教えて欲しかった。大学として、賞を制定してよかったと思う」と激励。地域連携センター長で副学長の品川哲彦文学部教授(60)も「大学内にいるだけでは得られない成長がある。地域の暮らしを支えられるような学生を育てられたら」と話した。

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