関西大学東京センターにある仮眠スペースが、劇的に改装された。家具小売大手のニトリ(本社・札幌市)が「関大生の皆さんのために」と、寝具や家具を無償で提供。男女仮眠スペースのインテリア設計までも請け負った。就職活動の選考解禁日を前に、5月24日にリニューアル。あまりの快適さに、仮眠渋滞が起こるほどだ。夜行バスなどで上京した関大生の疲れた体を、ニトリのベッドが優しく包んでいる。

なんということでしょう。あまりにも質素すぎた仮眠スペースが、ニトリの匠の手によって、見違えるほど豪華になった。床に置かれていたマットレスが、ふかふかのソファベッドに。女子の仮眠スペースには化粧スペースや、身だしなみが確認しやすいようにスタンドミラーも置かれた。

採用面接のため上京し、同センターを利用していた辻彩香さん(21=文4)は「とても寝心地がいいです。下宿のベッドよりいいかも…。本当に便利でありがたい」とふとんにくるまっていた。男子の仮眠スペースは、ブルックリン調に。体の大きな体育会学生でも、ゆったり眠れるサイズのソファベッドが並んでいた。

同センターを訪問したニトリの採用担当者が、就活生が利用する仮眠スペースを見て模様替えを提案した。同社の白井俊之社長(61)もGOサイン。同社が大学の施設に寝具などを無償提供するのは、関西大学が初だという。同社に今年4月入社した新卒者のうち、関大生は全国の大学で最多を誇る。

「住まいの豊かさを世界の人々に提供する」企業理念を、関大生にも実現した。人財採用部東日本採用チーフの男性(30)は「就職活動が少しでも明るくなれば。東京センターのベッドで寝ました!という学生が面接を受けに来てくれてうれしかった」と、関大生からの好反応に目を細めた。

就職活動も佳境に。午前8時の開館とともに、1日40~60人が利用する。荷物を預けられるロッカーも30台以上に増強。就活ルームにあるカウンターでは、職員が学生の細かな相談にも乗る。関西大学東京センターの小林亮介さん(33)は「使わないのはもったいない。東京センターが関大生の心強い受け皿になって、東京の企業にチャレンジしようという動機づけになれば。就活生以外でも、旅行がてら寄ってほしい」と利用を呼びかける。

おそらく相当な額のかかったであろうこれらの家具一式を関大生のために無償で提供したニトリ。同社が見せた心意気は、〝お、ねだん以上〟だ。【写真・ニトリの家具や寝具で、劇的に変わった関西大学東京センターの仮眠スペース】

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