阪急関大前駅北口改札すぐのケーキ店メランジュが、約半年間の休業を経て5月26日、チョコレート専門店「アルチザン パレドオール」として生まれ変わった。【写真・チョコレート専門店として再オープンしたアルチザン パレドオール=撮影・白井康平】

店内に一歩踏み入れると、まるで別世界だ。ドアを開けると、チョコレートの香りがいっぱいに漂う。豪華なシャンデリアが、胸を弾ませる。同店のマネージャー・小濵(こはま)沙織さん(33)のおすすめは、6月中旬までの限定商品コフレ ベル(税込2160円)=写真。生の国産春イチゴをピューレしたショコラが、きれいなピンク色の箱に6個入っている。夏の期間限定商品として、山口県旭酒造の希少酒・獺祭(だっさい)スパークリングを使用したショコラも人気だ。

同店のオーナーは、世界的なチョコレート菓子職人・三枝(さえぐさ)俊介さん。数多くの料理番組で取り上げられ、NHKEテレの「きょうの料理」やTBSテレビの「マツコの知らない世界」などにも出演した。1991年、最初の自前の店となるメランジュを関大前に開店。関大生や地域の人々に愛されてきた。

三枝さんはショコラに無限の可能性を見い出し、残りの人生すべてをチョコレートに捧げたいと、世界各国のカカオ豆産地をめぐる日々。ショコラティエが自ら、カカオ豆の段階から年間10トンものチョコレートを作るのは日本初だという。

メランジュから人気があったシュープリーズ(税込324円)=写真=や、プラザチーズケーキ(12センチ=税込1620円)も引き続き販売されている。「残ってるだけでもうれしいという昔からのお客様の声は多いですね。うれしいです」と小濵さんは笑顔を見せる。プラザチーズケーキは、三枝さんが洋菓子技術を学んだ大阪・福島のホテルプラザ(99年閉館)で作られていた伝統の一品。同ホテルで挙式した夫婦や、勤務していた父親に渡すために買う人など、味と思い出がずっと引き継がれている。

オープンにあたり、広告や宣伝チラシは配らなかった。「ゆっくり、のんびりやろうや」という三枝さんの一言で再び店を開けた。ずっと大切にしていきたい始まりの場所が、関大前なのだ。小濵さんは「チョコレートのまだ未知なところを、知っていただけたらと思います。体にもいいですよ」とささやかに店をPRする。

メランジュとして、関大生や地域の人々を見守ってきた26年間。アルチザンパレドオールに屋号が変わっても、ずっとこの場所にあり続ける。魅惑のチョコレートの世界が、関大前で始まった。【山本朝子】

【住所】吹田市 山手町 3-9-13 06(6337)1730

【営業時間】午前10時〜午後7時まで 火・水定休

【公式ツイッター】@melange_1991

返事を書く